砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

ぎふ県旅シリーズ第44弾@各務原:夏の鵜沼宿街道を行く

ある日突然、旧中山道の鵜沼宿街道を歩いてみたくなった僕がいた。とは言え、その「ある日」ってほぼ3年前だけど。その気になれば明後日にでも行ける街道なのに、その気になるのにほぼ3年間もかかってしまった僕だった。まあいい。案の定、いい街道ですな。司馬遼太郎よろしく風情ある街道を一人きり歩いた。その途中、国道21号線沿いにある『うなぎ屋たむろ グリュー 各務原店』で特上の「うな丼定食」を満喫した。個室はありがたかったものの正直、料理は思っていたよりしょぼかった。店を後にした僕は、引き続き鵜沼宿街道をサクッと歩き終えると『鵜沼茶坊 葉豆』で熱いグアテマラを飲みながら日記を書いて〆た動画はご覧のとおりです。

小雨がパラパラと音を立てて降り出した。雨の鵜沼宿街道もいいものだ。そして、その佇まいがレトロとか和風とかアンティークとかビンテージとか蔵っぽいとかではなく、一言で表現すると何気にエキセントリックな雰囲気をかもし出している『うなぎ屋たむろ グリュー 各務原店』にオープンの2分前にたどり着いたらフツーに開いていたので左足から入って店員に声を掛けた。

うなぎ屋たむろ グリュー 各務原店

「1人ですけどいいですか?」「はい。では、こちらのお部屋をお使いください。ただ、12時半にご予約が入っていますので、それまでとなりますがよろしいでしょうか?」「30分もあれば十分です(笑)」。そうそう、驚いて閉口するくらいトイレが超絶エキセントリックだった。

うなぎ屋たむろ グリュー 各務原店

左上から豆腐、骨せんべい、漬物、お吸い物、うな丼。「ご飯のお代わりは自由です」「はい、ありがとうございます。でも、小食なのでこれで十分だと思います」。テーブルの右奥に置いてあった山椒とうなぎの追いダレをたっぷりかけまくると一気呵成に口の中へかき込んでご満悦。

うな丼定食 たむろ「特上」

いつしか雨は止んでピーカンの一歩手前の空となった。楽しませてもらった鵜沼宿街道に別れを告げるとちょっと南下して4種類の茶葉や豆などを取り扱っている『鵜沼茶坊 葉豆』に入った。モーニングサービスが終わったばかりの中途半端な時間のせいなのか僕の貸し切り状態だった。

鵜沼茶坊 葉豆

台湾茶と26秒くらい迷った結果、580円のグアテマラ、君に決めた!そして、サイフォン、ペーパードリップ、ネルドリップの抽出方法の中からサイフォンをチョイスした。てんこ盛りに注いでくれたので僕がトレイを引き寄せたら日本酒の枡酒のように熱い珈琲があふれちまった。

グアテマラ

[動画内検索タグ]鵜沼宿,うなぎ屋たむろ グリュー 各務原店,鵜沼茶坊 葉豆

うなぎ屋たむろ グリュー 各務原店の僕のレビューとマップ(詳細)はこちら maps.app.goo.gl

鵜沼茶坊 葉豆の僕のレビューとマップ(詳細)はこちら maps.app.goo.gl

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ちこり村の栗きんとん生食パンは転売せずに食べると最高

「こうなったらいいら~♪」と遠州弁で思った程度のことなら実現しない。強く信じたことのみ実現する。たまたまボーっとお口を開けてアホ面でテレビを見ていたら栗きんとんを練り込んだ生食パンのローカリーなCMが流れた。「ほう、栗きんとんか。秋だな。しかし、美味そうな食パンだこと。これってどこで売ってんだ?」とテレビ東京が制作した1人も殺されないドラマのセリフのようにつぶやいた僕がいた。ちなみに、僕のアホ面は君の真顔より美しい。「ち、ちこり村?それってどこにあるんだ?」と速攻でググったら中津川市だった。な、中津川か・・・。ギリギリ岐阜県でほぼ長野県じゃん。ま、今回はご縁がなかったということで。とは言え、いつかめぐり会えると心のどこかで強く信じていた僕がいた。ま、僕に心があればの話だが。するとその翌日、真顔も寝顔も丸顔の次女が「これ、あげるね」と僕に差し出したのが昨日のそれだった。そう、ちこり村の「栗きんとん生食パン」だがね。「へ?これって昨日、パパ一人で噂してパパ一人で盛り上がっていたパンじゃん。お前、パパの心に盗聴器でも仕掛けたのか?」「うふふ、パパに心があったらね」「・・・。まあいい。とにかくどうもありがとう」。不謹慎ながらネットショップで確認したら2790円(税込み)だった。一瞬、ほんの一瞬だけれど「長女に850円(税抜き)で売ったろかしゃん?」と頭をよぎったりもしたが、それが次女にばれたら何かおごらされて確実に3580円くらいの赤字になるので断念した僕は、おすすめの食べ方が書いてあるリーフレットに則ってトーストでこんがり焼いて食ったら偏差値73レベルだった。

栗きんとん生食パン

元祖 堅ボーロ本舗の堅ボーロと悠久の歴史を噛みしめる

イタリア語で「美味しい」を意味する言葉は「ボーノ」。ポルトガル語で「小さな球状の焼き菓子」を意味する言葉は「ボーロ」。ココ、姑息な引っ掛け問題として次の中間テストに出るかも知れないよ。出ねぇよ。2日前に滋賀県は米原市界隈を散策した僕は、当初の計画どおり「ど、どの足?こ、この足?」その足で長浜も訪れた。その際に計画どおり遭遇した明治27年創業の『元祖 堅ボーロ本舗』に左足から入った。いい。川瀬巴水の風景画のような佇まいだ。仁王像の如く立っている「宮内庁御用達」と「陸軍御用達」の看板が悪霊退散のお守りのようだった。

元祖 堅ボーロ本舗

店内に「ど、どの足?そ、その足?」この足を踏み入れると整然と並ぶレトロチックな商品に目が釘付けになった。そのとき奥から清楚なご婦人が現れたので店舗や商品の歴史について色々と教えてもらった。特に看板商品である「堅ボーロ」は日清戦争・日露戦争・太平洋戦争において前線の兵士への慰問袋の中に入れられていたとか。そして、日露戦争のときには「堅ボーロ」が「堅亡露」と呼ばれていたという話には「なるほど」と深くうなずいた僕だった。ほら、ご覧。よく見ると今は亡き若い頃の安倍ちゃんが長浜を訪れた際に来店した貴重な写真もあるんだよ。

元祖 堅ボーロ本舗

「宮内庁御用達」で「陸軍御用達」で「堅亡露」で「安倍ちゃん」という四拍子揃った典型的な保守の権化のような精神的に固い絆の物理的に堅い焼き菓子だろう。この際、素晴らしい店舗も含めて長浜市の指定文化財にしたらどうなんだ。ところで「陸軍御用達」ならば今、巷で話題のドラマ『VIVANT』に登場する「別班」も食ったのだろうか?ハハハ、そんなもん知らんがな。

元祖 堅ボーロ本舗

僕は「堅ボーロ」ときんつばのような「茶々の友」を買った。後者は昨日、食っちまったので今日は前者を地味に地道にいただいた。この形状は長浜城の穴太(あのう)積みの石垣をイメージしたとか。小麦粉の生地を二度焼きしてあるためモーレツに硬い。「まだ歯は丈夫だ」と自分に言い聞かせるように3個を口の中に放り込んだ。うん、ショウガが効いて胃腸にも良さそうだ。お茶請けになることはもとより悠久の歴史に思いを馳せながら奥歯で噛みしめるとさらにいい。

堅ボーロ

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2023年『青春18きっぷ@夏の陣』の総移動距離は1168.3km

昨日で2023年『青春18きっぷ@夏の陣』は終わった。はぁ、真剣に疲れた・・・。最初に言っておこう。今後も青春18きっぷが販売される間は「春の陣」と「冬の陣」は従来どおり続けるが、来年から「夏の陣」は無期限で中止する。ただでさえ夏休みで内海海岸の砂利のように若者たちが世にあふれ出る中、ブブカの棒高跳びの世界記録のように殺人的な暑さの記録が毎年更新される酷暑の夏の各駅停車の旅は果てしなく苦行に近いので潔く中止することに決定した。とにもかくにも今回も本当にお疲れさま、僕。ってことで、さっそくカシオの電卓で集計しましたところ●青い海と美味しい海鮮丼と重厚な石垣の城がある小浜駅(5280円)●その地名を見聞きしただけでさらに暑くなる多治見駅(1720円)●大好物ゆえに定期的に訪れたくなる和歌山駅・和歌山市駅(8330円)●水上ビル商店街を大いに満喫した豊橋駅(3960円)●見事な青岸寺庭園に圧倒された米原駅・長浜駅(2050円)で合計21340円となった。ここから購入金額である12050円を引くと9290円のプラスとなった。ハハハ、昨年の「夏の陣」より100円だけ上回って有終の美を飾ったがね。では、冬の陣までごきげんよう。

青春18きっぷ

日帰り旅シリーズ第54弾@米原:苔と肉と麦に癒されて

この夏、最後の1回分となった青春18きっぷの権利を行使して訪れたのは片道860円の米原駅だった坂本(泣)。は、はっぴゃくろくじゅうえん?ま、名古屋に行くことを思えばはるかにマシだろう。しかしだ、そうは言っても内容は素晴らしく濃厚だった。一面に生える見事な苔が旅情を凌駕した風情をかもし出す『青岸寺庭園』に癒された僕は、青岸寺内にある『喫茶去』で供される「抹茶ガトーショコラ」を熱い珈琲で味わいながら引き続き目の前に広がる抹茶色の風景を堪能した。いい。充足した気分のままイタリアンバルの『FUKUMOTO BROS』を訪れるとカウンター席の片隅で「おおきなおおきなメンチカツランチ」を食べながら「言うほど大きくないじゃん」とつぶやいた。その後、せっかくなので長浜へと向かった僕は『長濱浪漫ビール』で飲んで食って日記を書いて〆た動画はご覧のとおりです。

高い木々に囲まれた薄暗い境内に一歩足を踏み入れるや否や、凛とした空気と涼しい風と最期を悟ったかのようなセミたちの声に圧倒された。『青岸寺』だ。JR米原駅から徒歩8分の場所にこのようなすっげぇ癒される場所が存在することは誠に素晴らしい。僕は浅い深呼吸を試みた。

青岸寺

鐘を鳴らして300円の拝観料を支払うと僕の貸し切り状態で見事な庭園を味わうように丁寧に見て触れて回った。そして、庭園の高台にある『六湛庵』で一人きり座禅を組む姿で瞑想した。僕の近くを飛び回る1匹のハチが耳障りで集中できなかった。僕もまだまだ修行が足りませぬ。

青岸寺庭園

『青岸寺』ではありがたいことに茶寮の『喫茶去』にて庭園を眺めながらスイーツやドリンクを楽しむことができる。僕は口の中の「抹茶ガトーショコラ」を熱い珈琲で少しずつ溶かしながら目の前で繰り広げられるファンタジーの世界に酔い痴れた。赤の秋や白の冬にも訪れてみたい。

喫茶去の抹茶ガトーショコラセット

ほんのちょっとだけれど腰痛も緩和したような気になった僕は、JR米原駅の東口から西口へと抜けるとイタリアンバルの『FUKUMOTO BROS』にオープンと同時に1番で左足から入った。

FUKUMOTO BROS

まずは瓶ビールを。続いて数種類あるランチメニューの中から1650円の「おおきなおおきなメンチカツランチ」を明るく元気にオーダーしたが、それを商品名にするほど大きくはなかったそんな気がした僕がいた。結果、自らハードルを上げることの恐ろしさを思い知った僕もいた。この直後に大好物の長浜へと向かうとクラフトビールが楽しめる『長濱浪漫ビール』でサクッと飲んで食ったものの解放感に浸りすぎて写真を撮るのをコロッと忘れちまった僕ってステキだ。

おおきなおおきなメンチカツランチ

[動画内検索タグ]青岸寺,青岸寺庭園,喫茶去,FUKUMOTO BROS,長濱浪漫ビール

青岸寺の僕のレビューとマップ(詳細)はこちら goo.gl

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