砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0024滴:夢の続き

サミュエル・ウルマンの「青春」もいいけど、般若心経もなかなか奥が深 いと他人事のように思い始めた@般若心経は、ほとんど知らない杉山です。

昨日は、ドシャ降りでまったく外出をしませんでした。ズボンの裾が雨に 濡れて、リトマス試験紙みたいになるのが、たまらなくキライなんです。

となると、パソコンに向って原稿書きをするか本を読むしかありません。 あまりに少ない選択肢も寂しいですが、数多くの中から選ぶ煩雑さに比べ れば楽なものです。

『内容証明の書式全集』を完読しました。結構これも奥が深いですねぇ。

さぁ、そんなとってつけたようなハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■夏休みも終わりに近づき、子どもの宿題を手伝いながら、 ふと中学生のころの自分を思い出しました。

■夏休みの宿題には、必ず出ていた読書感想文。

本編は一切読まず、“はじめに”と“あとがき”だけを読んで 原稿用紙をサラッとまとめて提出すること毎年。

で、毎年クラスの代表に選ばれて表彰されていました。 主人公の名前も、悲しい話か楽しい話かも知らないんですがね。

よく考えてみれば、本編を読んで書いていた方が、随分楽だったんだ ということに今、気がつきました。

■そんな私は中学3年の卒業文集で、第96回の芥川賞を受賞する と宣言しています。

その当時から、そーいう人間だったんです。

■1年に2回選考があるので、指で計算して、 大学3~4年生には、きっと文筆家になっているだろうと。

そんな卒業文集のことなんか誰も覚えてやしませんが、 毎年、芥川賞の発表を新聞で読むと、胸が心筋梗塞のように痛みます。

ちなみに第96回の芥川賞は“該当作なし”でした。 やっぱり私が座るべき椅子が用意してあった。勝手にそう納得しています。

■しかし、やっぱり夢は捨て切れず、25歳のときに仕事を辞めて、 作家浪人をしたことがあります。

まぁ、当然これも長くは続かず、1年でサラリーマンに戻りました。

でも、楽しかった。まったく収入はなく、貯金の食い潰し状態でしたが、 楽しかった。私の人生の中でも、ベスト5に入る楽しさでした。

どう比喩表現して良いのか分からないほど、ワクワクした1年間でした。 強引に表現しようとすれば、この目の前の線路を辿って歩いて行けば、 いつかは大都会の東京に着けるはずだ、っていうワクワク感です。 でも、浜松で引き返しましたけど。

■その浪人時代に、私も売れっ子作家の気分を味わいたい! と思い、 まずはカタチから入ることを美徳とする私は、 5万円もするモンブランのマイスターシュティックを買っちゃいました。

小僧みたいに若い私が、高額な万年筆をなんの戸惑いもなく買ったので、 「なにか書かれている方ですか?」とお店の人に聞かれて、 「はい」と即行で応えた私。

壁には、井上ひさし氏のサイン色紙が貼ってあったのを 今でも鮮明に覚えています。

■大好きな村上春樹は、どんな気持ちで書いたのだろう? と思い、『風の歌を聴け』を5万円の万年筆で行間、段落もそのままに 写経のように400字詰原稿用紙に書き写しました。

ピッタシ250枚。『風の歌を聴け』は、群像新人賞を取った作品。 群像新人賞の応募規定は原稿用紙250枚まで、だったので、 なるほどねぇ~、と感心したものでした。

多分、これは村上春樹と私と審査員しか知らない事実だ、 と優越感に浸りながら、インクの匂いを楽しんだ記憶があります。

■子どもの夏休みの宿題を手伝いながら、 自分のほんのちょっと前の夢を回想しました。これも、また楽しい。

今でもときどき、机の引き出しを開けては、大切な万年筆を確認し、 「いつかは、きっと」と思いを馳せることがあります。

いつからでも、夢の続きは再開できますからね。

懐かしさのあまり

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

サミュエル・ウルマンの「青春」や本編の【夢の続き】は、 夢子さんのメルマガを読みながら、懐古にふけったため書きました。

たった1本のメルマガでも、その人に与える影響は、 はかり知れないこともあります。

【砂漠に水】が、そんなアナタの逸品でいられるように ソッと書き続けていきます。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━