砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0105滴:プールサイドの憧憬

Hi! Albert, いつもメールをありがとう。でもね、“I love you”とか、 “Thanks!” なんて、熱いメッセージを届けてくれても、所詮、アナタは 嫌われ者のウイルス。だから、開封する訳にはいかないんだよぉおおッ! @ウイルスバスターが作動しまくりで、気が散って仕方がない杉山です。

最近、一日に 100本近くのウイルスがどこからともなくやってきます。 でもって、携帯にバンバン転送しているのでパケット代がバカになりません。

以前、件名からすべて、アルファベットでウイルスを装い、メールを送り まくったら、すっごいことになり、私が犯人だとは言えなかった。そんな 3年前の辛い思い出を心に傷として持つ、Hi,hello! sugiyamaです。

さぁ、そんなもう時効なのよね?ってハナシはバシッとやめて、 今日もサラ~ッとお読みください。

■別に優等生でもなく、かと言って、 勉強ができなかったという訳でもない。

いろんな意味で中途半端な学生時代を過ごして来ました。

■でも、生活態度はいたってマジメでした。

グレたら将来、損をする。勝負は社会に出てからなので、 学生時代は大人しくしていた方が絶対に得。

そんな打算的な学生でもありました。

■枠からはみ出ることを、悪とも思っていました。

貧乏のどん底から這い上がって、何不自由のない生活を 勝ち取った父親の影響が大きかったのだと思います。

だから、私にはハングリー精神なんてありません。

■今、気持ちの中で“暴れたい”と思うのは、そんな昔に 排他的に見ていた奴らへの憧れかも知れません。

良くも悪くも、リアルに生きた奴に、 いくらたくさんの文字をキレイに書き並べてみたって、 蚊に刺されたほどにも感じやしないと思います。

■でも、これしかできません。

中途半端って中産階級や中流とはまったく意味が違います。 どこの部類にも入らない、いや入る場所がないという、 宙ぶらりんの状態を表す言葉なんです。

■そして、価値観が明らかに変わったのは父親の死です。

訳あって疎遠になっていたので、最後の死に目にも 立ち会うことができませんでした。

駆けつけたときには顔に白い布がかけてあり、 まるで映画のワン・シーンを観ているようで、冗談だと、 ふッと笑ったくらいです。

■嗚咽するくらい泣き続けました。

今でも、思い出すと涙がこみ上げて来ます。失った悲しさと、 最後さえ見届けることが出来なかったという情けなさが交錯します。

■末期ガンのため仕事を辞めてから数日のことでした。

仕事がすべての人で苦労して勝ち得たすべてのモノを手放したくない、 そんな感じで死の数日前まで普通に仕事をしていました。

■そして、21世紀を迎えることもなく、 自分が稼いだ財産を使うこともなく逝ってしまいました。

働くことが、稼ぐことが、本当にバカバカしく思いました。

■それから半年間、毎日、夢の中にオヤジが出てきました。

決まって説教です。でも、嬉しくって朝、 目が覚めると必ず枕が濡れていました。

■その半年間、オヤジに説教をされながら思い、そして考えました。

いくらプールサイドで、声を張り上げてみたところで、 プールの中に飛び込んでみなけりゃ分からないってことは、 イッパイあるもんだ、ってね。

■だから、働くことも稼ぐことも、 理屈ではなく、とっても大切なんです。

プールサイドで指をくわえて憧れているだけじゃ、 西の空から陽が暮れちゃいますぜ。

■悲しいことに息子は何があっても、 どうやっても父親に勝つことはできません。

だから、決して負けない。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

今でも残念なことに仏壇に手を合わせることができません。

でも、毎朝、鏡を見る度に思い出します。 年齢を重ねるごとに私の顔がソックリなんです。

だから毎朝、鏡に向ってソッと目を閉じて祈ります。

たったそれだけですが、でもそれがすべてです。

西の空が好きなのも仏壇がある方角だからです。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━