砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0747滴:秋刀魚の売り方

素材の素晴らしさを活かす私は、ソースや醤油をたっぷりつける人間とは、 決して一緒に寿司屋に行かない@シャリに醤油をつけたら怒鳴る杉山です。

ちなみに、お寿司は3本の指でつまんで具の背中にサッと醤油をつけます。

ですから、具の背中の表面積の8分の1までが私にとって許せる範囲です。

さぁ、そんな冷やし中華にマヨネーズを投入する奴とは口も利きたくない ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■相変わらずの酷暑に精も根も尽きた私は、

涼を取るために近くの西友へ行きました。 そして、いつもの魚屋の前に立ちました。

■多少の生臭さを帳消しにするかのような涼しさです。

そのとき一人の中年の主婦が私の左隣に立ちました。 国生さゆりを徹底的に苦労させたようなその主婦は、

■虹色に輝く見事な艶を誇る秋刀魚を指して、

「これ美味しいの?」と店員に聞きました。 するとその店員は黙って笑顔で頷きました。

■ほう。。ただひたすらに私は感心しました。

そこらの魚屋のおっさんとはちと違います。 そして、私はその店員に興味を持ちました。

■魚屋を舞台にした恋愛小説を書くとか嘘を言って、

魚を売る手法やお客さんとの距離感を訊ねました。 するとその店員は穏やかにお話をしてくれました。

■私たちは秋刀魚を売ることが仕事ではありません。

秋刀魚を買ってくれる人を集めることが仕事です。 秋刀魚を売るだけだったら漁師さんの方が上です。

■それは体操の弘道お兄さんのような口元でした。

ヒゲ面の汚い弘道おじさんは深く感動しました。 そう、営業するその対象がまったく違うんです。

■だから、本当の営業は商品を売りつけることではなくて、

自分の仲間を一人でも多く増やすことなんです。そして、 秋刀魚を買いたいんじゃなくてその人に会いたいんです。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

でも、個人的には国生さゆりよりも城之内早苗の方がタイプです。

秋刀魚を売るのが仕事なら新鮮な秋刀魚しか売れません。 しかし、自分を応援してくれる人を集めるのが仕事なら、

きっと艶のない夏の秋刀魚でも買ってくれると思います。

モノを売るためだけの営業は虚しくてまったく割に合いませんが、 自分の仲間を増やすための努力は限りなくリピート率を高めます。

だから、希少で貴重な商品なんてそれがなくなったら終わりです。 しかし、市販の商品でもその人から買いたければ延々と続きます。

そして、どんな商売でも本当の営業はモノを売ることではなくて、 ヒトを売って一人でも多くの自分に合った仲間を増やすことです。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━