砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0785滴:メガネ屋の主人のお話

メガネのフレームが緩んできたので約8年前に購入したお店に行った私は、 いろんなフレームをかけて鏡をのぞいた@ヨン様とメガネは同じ杉山です。

ちなみに、展示品のフレームには度が付いていないのでなにも見えません。

ですから、右が0.03で左が0.05なので鏡の中の自分の顔さえも判りません。

さぁ、そんな温泉に入るときメガネをかけていないと脱衣場まで戻れない ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■レンズとフレームの付け根が緩んできたので、

約8年前にそれを購入したお店に行きました。 新しいのを買う気なんてまったくありません。

■でも、多少の嫌らしさはありました。

約8年ぶりに私がお店に入るや否や、 店主が「杉山さん、こんにちは」と、

■笑顔で普通に挨拶をしてくれました。

たしかに私は杉山さんです。しかし、 大昔に安いメガネを買っただけです。

■さらにスゴイ!と激しく唸ったことは、

私の両眼の視力を覚えていたことです。 さすがにちょっと引きました。そして、

■その当時、私の親父が隣にいて、

親父のカードで決済したことも、 ちゃんと店主は覚えていました。

■「お父さん元気ですか?」と店主が訊ねると、

「6年程前に死にました」と私が答えました。 すると棚から親父のカルテを取り出しました。

■しばらく眺めると「大切に保管をしておきます」と笑顔で言いました。

嬉しいと言うかスゴイと言うかとにかく私は驚きながら感動しました。 そして、このお店がなくなるまでここでメガネを作ろうと思いました。

■しかし、その日は買う気なんてまったくなかったので、

車の中に百円玉が3枚しかありませんでした。だから、 フレームの緩みだけをしっかりと直してもらいました。

■後日、お店に入った瞬間にとっても気が安らいだ原因が分かりました。

約8年ぶりでも私の名前の後に付けた「こんにちは」と言う言葉です。 多分「いらっしゃい」とか「お久し振り」では違っていたと思います。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

名前を覚えていてくれただけでも相手との距離感は縮まるし、 その後に「こんにちは」と付け足すだけで親近感が湧きます。

ましてやこっちの視力や情報をスラスラと言われたら、 絶対に“あなた専属”のサービスマンとなるはずです。

たしかに専門職の知識とかウデは必要なんですが、 どれだけこっちを向いていてくれるかも大切です。

車のボンネットを決して自分一人では開けられない私って、 私よりも私の車について詳しい人にお世話になっています。

車検はもちろんのことオイル交換やなんちゃらかんちゃら、 いろいろと車に関するすべてのことをお任せしております。

その人も「いらっしゃい」とか「お久し振り」とは言いません。 アタマの中にはいつも私の車が登場しているからだと思います。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━