砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0854滴:語った奴にも語られた夢にも価値はない

君子が「もう私たち終値」と呟いた。直樹が「三洋電機の株か」と嘆いた。 @8枚ほどの原稿用紙にビジネス恋愛小説を感動しながら書いた杉山です。

ちなみに、インクの匂いを愉しみながらモンブランの万年筆で書きました。

ですから、君子のモデルを八尋真理に直樹のモデルを楠本惠洋にしました。

さぁ、そんな2人とも川崎市の住民なので阿部市長の話題で盛り上がった ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■私は将来の夢や大いなる希望を語り合うことが嫌いです。

だって、本当にそれを望む奴ならとっくにやっています。 だから、それらを語る奴は死ぬまで延々と語り続けます。

■でも、将来の夢ならまだ聴くに耐えられますが、

それが過去の夢だったお話にいつか変わります。 要は、自分の夢の自慢話をしたいだけなんです。

■しかし、どう言う訳だかそれを聴いた人はみんな感心します。

例えば、床屋の店主が「昔は弁護士を目指した」と言ったら、 たったそれだけで周りの人は立派な床屋だときっと思います。

■実際には司法試験を1回も受けてもいないのに、

それを目指したこと自体が立派だと思うんです。 本当に立派な床屋はハサミ使いが上手い人です。

■しかし、世間ではこんな夢だったお話がとってもお好きです。

それどころか「松下電器産業に売り込みに行った」と言うと、 それを聴いた相手は「お前、凄い勇気あるな」と感心します。

■だから、契約取れてねぇだろ!と私は思います。

売り込みに行って契約が取れたなら立派ですが、 売り込みに行くだけなら大阪に向かうだけです。

■私が高校3年生のときに早稲田大学の赤本を持っている奴は、

それを持っていない奴から憧れの眼差しで見られていました。 でも、それを持っていて早稲田大学に合格した奴は0でした。

■そう、語った奴にも語られた夢にも価値はありません。

きっと価値があるのは現在の姿だけなんです。だから、 遠い昔の夢や過去の武勇伝に1円の価値もありません。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

私の実家のすぐ斜め左横には高橋尚子の実家があります。 それを言うだけでみんな私を尊敬の眼差しで見つめます。

私とは8つ違うので見たことも会ったこともありません。 それに私は800m以上は長距離なのでまず走りません。

だから、私がフルマラソンを走って世界新記録を作れば立派ですが、 たまたま岐阜市の抽選で当たって買った土地に住んでいただけです。

でも、神戸市の友人が中学の後輩に鈴木杏樹がいると言っただけで、 この私でさえも激しく嫉妬しこの友人を大切にしようと思いました。

当然、この友人は見たことも会ったことも触ったこともないんです。

その人の生まれ育った環境に憧れても仕方がありません。 ましてやそれは過ぎ去った大昔の一瞬の出来事なんです。

あ、今まさに、編集後記を書いていてふと思いましたが、 なんだか本文から少しズレているようなそんな気がする。

口から語られた立派なお話には1円の価値もありません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━