砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0885滴:にじみ出る微笑みと自然な言葉

今年も残すところあと364日だと横須賀に住む若い男性と話していたら、 新しい発見をした@画針(がばり)が標準語じゃないことに驚いた杉山です。

ちなみに、画針(がばり)とはどこにでもある壁に突き刺す画鋲のことです。

ですから、若者が画針と言って団塊の世代が画鋲と言うと思っていました。

さぁ、そんなパソコンで変換できないので何気におかしいとは思っていた ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■元日の朝っぱらから近所にあるアピタの初売りに行きました。

北海道、東北、四国、九州の方はご存知ないかと思いますが、 センスの悪いど派手な色彩を基調とした大きなスーパーです。

■本当は人ゴミの中に入るなんて耐えられない私ですが、

お年玉を減額してくれると言うので連れて行きました。 案の定、たらいで芋を洗うかの如くすっごい人でした。

■もうダメだ。めまいがすると思ったので、

冷たいベンチにソッと腰を下ろしました。 他の3人は父に構うことなく去りました。

■混雑の中、ふっと顔をあげると惣菜屋さんがありました。

お昼も近いということでそこもかなりの混雑ぶりでした。 お店の中には見るからに20歳くらいの女性がいました。

■その女性店員は「冷めないうちどうぞ!」とお客さんに、

内からにじみ出るような微笑みでお弁当を手渡しました。 本当に美しいマニュアルにはない応対だと感心しました。

■そのとき12年前のことが前頭葉から海馬にかけて駆け巡りました。

それは私がこよなく愛す出光のガソリンスタンドでの出来事でした。 仕事で疲れていたはずの私は出光に寄ってレギュラーを入れました。

■だから、ハイオクの車ではありませんでした。

クリスマス・キャンペーンだったと思います。 若い女性店員が窓越しに景品を手渡しました。

■クリネックスのティッシュ2箱と小さなユリの苗でした。

茶髪の女性は「元気に育てて下さいね」と微笑みました。 雪が舞う中でまるでルーベンスが描く天使のようでした。

■きっとマニュアルにはない言葉だと思います。

茶髪でちょっと派手に見える若い女性ですが、 雪が舞う寒い中で働いて爪の中は真っ黒です。

■学校の成績はよくなかったかも知れませんし中退したかも知れません。

でも、マニュアルに書いてある以上の応対が極自然にできる女性です。 履歴書には載っていない部分が周りに影響を及ぼすのだと感じました。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

この出光のお話はちょこちょこしていますが、 今でも鮮明にそのときの光景は覚えています。

当時、きっと20歳くらいの女性だったと思います。 今ではきっと32歳くらいの女性なんだと思います。

勉強は大切ですが社会に出たら学校の成績は関係ありません。 お客さんに三角関数とかラ変変格活用を使ったことないもん。

決して分厚いマニュアルのバインダーの中には載っていない、 その人だけのにじみ出る言葉が周りに影響を及ぼすはずです。

学歴とか特技を重んじて採用を行う無能な会社は、 そういう部分をまったく読み取る力がありません。

履歴書はマークシートの国家試験じゃないんです。

そのユリは今でも毎年元気に美しい花を咲かせています。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━