砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0931滴:昼行灯・服部係長のたそがれ(前編)

肉体改造のためにヒンズースクワットを毎日80回以上やると誓った私は、 60回を超えた辺りで足が笑って腰が揺れる@痛いと笑顔になる杉山です。

ちなみに、その姿は「紅茶の美味しい喫茶店」と歌う柏原芳恵のようです。

ですから、両足がガクガク笑うので腰が「グッバイバイバイ」と揺れます。

さぁ、そんなラスト20回になったらアゴが出て猪木の顔でさらに燃える ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■服部係長。38歳。大手の医療機器メーカーに勤務している。

身長は170cmほどで体重は58kgのちょっと細身の体型だ。 髪は薄い。輝きのない目は大きくまるで宮崎県知事の風貌だ。

■服部係長は朝の珈琲を窓辺で楽しむのが無性に好きだった。

周辺のOLたちは彼のことを昼行灯(あんどん)と笑った。 昼間に灯す行灯のようになんの役にも立たない存在だった。

■服部係長はどれだけ残業をしても一切、

残業手当ての申請を絶対にしなかった。 彼は次の人事で課長になる予定だった。

■係長までは残業手当てが支給されるが、

課長以上は支給されないんだ。だから、 気分は服部課長になっていた。しかし、

■あろうことか会社の外部からやってきた三田村が新しい課長となった。

外資系の企業に勤めていた三田村はヘッドハンティングをされたんだ。 そして、服部課長になり損ねた服部係長はキレた。行灯が燃え出した。

■彼は10分でも残業をすると直属の上司である三田村課長に、

正面から「残業時間の承認を下さい」と申請書を差し出した。 若いOLですら30分未満の残業の申請はしないと言うのに。

■彼は自らの人生をお金で割り切った。

昼行灯なら昼行灯に徹すると誓った。 なにも用事がなれば17時に帰った。

■そして、ある暑い8月のお盆休み前に一つの事件が発覚した。

それは他の部署には漏らすことのできない大きな事件だった。 三田村課長、服部係長、安田主任の3人だけがそれを知った。

■横浜支店のA子がモーレツな使い込みをしていたんだ。

8年間にも渡った総額4800万円の使い込みだった。 切手・収入印紙やタクシーチケットを懐に入れたんだ。

■それが事実か否かを総務部の3人が極秘で調査を始めなければならない。

総務課長の三田村は理屈は立派だが電卓を叩いたことは一度もなかった。 主任の安田は女性で怯えていた。すると昼行灯の服部係長が席を立った。

~ 明日の後編につづく ~

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

自分で言うのもなんですが、 すっごくいい展開ですねぇ。

ま、2時間ドラマをこよなく愛す方なら大体の予想はつくと思います。 これはフィクションではなく実際に起きた事件を基にお話しています。

当然、登場人物の名前や特徴、横領した金額等は変えてありますが、 モーニングコーヒーを窓辺で楽しむのが無性に好きなのは事実です。

これはこれとして、ビジネス・ハードボイルド推理小説でも書こうかしら。 M&A等の企業買収を繰り返す男性がM&M’Sチョコレートを食ったら、

その中に盗聴器が仕込まれていてなにをやっても見抜かれてしまう話です。

やっぱ失うものが大き過ぎるので間違っても書きません。 明日の続編は比喩表現を激しく使いまくってお話します。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━