砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1025滴:ポールへの伝言:距離感の優位性

私がユーモアの原点としている『夜のヒットスタジオ』で司会をしていた 井上順をYouTube で1時間も観ていた@現在でも爆笑してしまう杉山です。

ちなみに、あの軽妙なトークは1億円の価値に匹敵するほど優れています。

ですから、私の宿敵である三谷幸喜でさえも井上順から影響を受けました。

さぁ、そんなテレサ・テンの『つぐない』が流れたので涙ぐんでしまった ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■その男は、一流大学を卒業すると大手の広告会社に就職しました。

品行方正で営業成績も絶えずトップクラスに顔を連ねていました。 ところが、彼にも悩みがありました。それは上司との関係でした。

■彼は、同期入社のBとよく比較をされました。

Bは、あまり成績がよくありません。それに、 上司に対する態度もちょっと横柄な感じです。

■しかし、同じような報告を同じ直属の上司にしても、

Bの方は「ほぃ了解!ご苦労さん」と言われるのに、 彼の方は「もっと早く報告せんか」と怒鳴られます。

■彼は「もうどうしていいのか分かりません」と凹みました。

私は「いいかいポール、現状をしっかり聴かせてくれ」と、 静かに言いました。私は彼のことをポールと呼んでいます。

■同じことを同じように同じ人にやって片方だけが嫌われる理由は、

生理的にまったくダメなのか相手との距離感が間違っているのか、 その2つのうちのどっちかしかあり得ません。彼は、後者でした。

■絶えず上司のゲンコツが届くエリアに入っているんです。

ところがBはレーダーに引っ掛からないエリアにいます。 とかくポールのようにマジメな奴は相手の懐に潜ります。

■だから、しょっちゅう殴られるんです。だって、

上司が手を下ろした場所に立っているからです。 上司がBを殴りたくてもどこにも居ないんです。

■私は、基本的に叱られません。というか、叱られにくいです。

相手の懐というか陣地に入らないように努めているからです。 私を叱りたければ「こっちへ来なよ」と見せればいいんです。

■こっちまで来て叱る上司は、そうはいません。

相手に好かれようと自分を磨いてもムダです。 中身の問題ではなく相手との距離感だけです。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

生理的に受け付けられないなら、 なにをやったところでムダです。

箸を持つ姿を見ただけでも寒気がする奴は結構、多い。 そうなったらもうなにをどうやっても改善されません。

でも、仕事上でそういうケースはあまりありません。 要は、よせばいいのに相手の懐に潜っちゃうんです。

上手に付き合おうとすればするほど、 相手が手を下ろす場所に立つんです。

そんなことを考えもしないBのような人間は、 相手の得にもならないけど害にもなりません。

だから、ズ~ッとその会社に居続けられます。

私は、そこらへんは寒気がするほどモーレツに上手です。 中学校で例えるなら教頭みたいなポジションは完璧です。

校長と他の先生方の間で胃が痛いフリをすればOKです。 自分を一生懸命に磨いたところで身や骨を削るだけです。

相手をこっちに来させないような距離感を保つべきです。 いいかいポール、20歳も上の上司の方が先に死ぬんだ。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━