3人だけ殴ってもいいという法律ができたら「私は必ずあなたを殴る」と、 三重県の社長が素うどんを食いながら呟いた@選ばれてしまった杉山です。
ちなみに、間違ってもそんな法律はできやしないので死んでも殴れません。
ですから、昼食も私が嫌いな麺類ばっかでそれも素うどんしか食いません。
さぁ、そんな半年前に私が「社長の足は臭い」と言ってからズッと冷たい ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。
■その足が臭い社長の会社に伺ったときのことです。
その会社は建具などを作るそこそこいい会社です。 その社員の中に「この道40年」の職人がいます。
■私は、仕上がったばかりの美しい欄間を目の当たりにして、
思わず「プロですねぇ、匠の技ですねぇ」と漏らしました。 すると「プロじゃない。ベテランだ」と社長が返しました。
■社長は「うちにはプロは要らん」と言うと、
「要るのはベテランだけだ」と続けました。 私もいつもプロなど居ないと言っています。
■まぁ、ホメ言葉で言ったつもりが抵抗されました。
それは「足が臭い」と言った翌月だったからです。 そこでプロとベテランの違いを社長に話しました。
■例えば、ある人が病院へ健康診断に行ったとします。
その人は「安心したい」から嫌々ながら行くんです。 間違っても異物を見つけて欲しい訳ではありません。
■でも、病院に勤める先生方は一生懸命に探し出します。
それがプロです。とにかく血眼になって探しています。 ちなみに、けつがんではなく「ちまなこ」と読みます。
■ところがベテランの先生は、懸命に探しはするものの、
その人が「安心したい」ということを分かっています。 プロとベテランのその違いはたったそれだけなんです。
■やっている内容はまったく同じなのに、
相手方への気配りがあるかどうかです。 技術的な腕などほとんど変わりません。
■だから、プロになるだけなら腕さえあればわずか1年でもなれますが、
ベテランになるには少なくともそれまで生きてきた年数分は必要です。 キレイに切るだけなら魚を三枚におろすのも盲腸を切るのも同じです。
┃編┃集┃後┃記┃───────────────────
この説明を社長にしたからこそ今の私が存在します。 説明をしていなかったら契約を解除されていました。
素直とか正直ってよくないことなのね。
申し訳ないが、腕がいいだけの奴なら腐るほど居ます。 病院の先生に限らず電卓を完璧に叩く税理士も居ます。
腕がいいだけの奴なら日本中に、 溢れるくらい散らばっています。
それをみんなプロと自分で誇らしげに言っているだけです。 でも、自分のことを自分でベテランと言う奴は少ないです。
極端な話、いい腕がなくてもいいのよ、ベテランはね。 そこら中に散らばっているプロを使えばいいんだから。
お客さんは決していい腕に集まる訳じゃなくて、 そこにある目に見えない安心に集まるだけです。
きっと最初はいい腕に集まると思うんですが、 それだけだったらすぐに去って行くはずです。
要は、プロは目指すのもじゃなくて上手に使うものです。 ベテランになるためにはズッと居続ければいいだけです。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━