砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1038滴:天国からの伝言

私が一番かっこいいと思っている町名は元町で住みたいと思わない町名は、 丸の内で怖そうな奴がいると思う町名は材木町@田町が知りたい杉山です。

ちなみに、東京の田町などの字画数が少なくて男らしい町名が大好きです。

ですから、小学生のときに同級生の田口は「口が5つや」と自慢しました。

さぁ、そんな「杉と松はどっちが偉いんや?」と教室で松波と言い争った ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

この話はノンフィクションで、登場する人物はすべて実在します。 これを掲載するに当たっては、本人に無報酬で許可を得ています。

■その会社は300人以上の社員を抱え、

その地域ではとっても有名な会社です。 約1年前、その二代目に呼ばれました。

■先代である父親が亡くなりました。立派な創業者でした。

彼は「相続税の申告と登記をしたい」と私を呼びました。 私は「税理士に頼めばいいでしょ?」と軽く答えました。

■すると「戸籍を見たら変なのがあるんだ」と彼は言って、

私は、彼から手渡された1通の戸籍謄本をめくりました。 約15秒後に思わず「あ」と私は漏らしてしまいました。

■あらら、認知してんじゃん。と、心の中で叫びました。

でもね、そんなことよりも、なんで僕がここにいるの? それがとっても気になって顔を上げられませんでした。

■彼は「杉山さん、見たね?」と笑って言いました。

私は「いいえ、かすんじゃって」と答えましたが、 彼は「その男に話をして下さい」と依頼しました。

■え゛、やっぱし。俺、探偵じゃねぇんだよ。と、言いそうになったとき、

「小切手でいい?」と彼は私に訊ねました。私は、お金では動きません。 「これで少ない?」と1枚の紙切れを見せました。私はチラッと見ると、

■「これもご縁です」と言って戸籍謄本と1枚の紙切れを鞄に入れました。

与えられたお仕事は、完遂しなければならない。それが私のルールです。 私は、その会社を出るときに「今日はご馳走だ」とスキップをしました。

■その翌日、現実に戻って調査をしました。

戸籍謄本の男は、簡単に見つかりました。 彼は、その会社の工場で働いていました。

~ 案の定、ちょっと長くなりましたので編集後記に続きます ~

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

■ちょっぴり複雑な気持ちでしたが、

彼に電話を掛けてから会いました。 彼は28歳でとても好青年でした。

■私は「電話でお話した通りですけど」と言うと、

アイスコーヒーの白いストローをかじりました。 彼は「すべて放棄します」と笑って言いました。

■亡くなった先代が、彼に工場で働くように勧めたそうです。

事実を知っているのは、2人だけで人事部長も知りません。 私は「いいの?遺留分ってのがあるんだけど…」と言うと、

■「親父からはいい想い出をいただきました」と笑いました。

「葬儀も社葬だったので焼香できましたし」と続けました。 「そうですか…」私は、耐え切れない思いに襲われました。

■先代が亡くなる2週間ほど前に2人で食事をしたそうです。

それを笑顔で泣きながら嬉しそうに私に話してくれました。 笑って「半分も血をいただいているので十分です」ってね。

■2日後、私はすべてを二代目の息子に伝えました。

息子は「了解です。お疲れさまでした」と言うと、 笑顔で「弟を本社に迎えます」と私に言いました。

■二代目は「それが天国からの伝言でしょう」と笑って、

「法定相続分はちゃんと弟に渡します」と続けました。 私は、その会社を出るときに軽くスキップをしました。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━