砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1058滴:反省じゃなく、するのは後悔だ

滋賀県の女社長が「HPを作って自分の過去をドロップアウトしたい」と、 JR岐阜駅の東側にあるコメダ珈琲で呟いた@一瞬、深く考えた杉山です。

ちなみに、それは「脱落する」という意味で正確にはカミングアウトです。

ですから、アイスコーヒーを飲んでいる私に涙目で静かに語り始めました。

さぁ、そんな「私はいけない女」を繰り返さずにその中身を言って欲しい ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■もうすぐ三回忌になるということは、

あれから2年が経とうとしています。 同い年の友人が2年前までいました。

■彼とは生まれた地域も違えば学校も会社も違いました。

共通の友人の飲み会で隣の席になり仲良くなりました。 私は、5年前に彼から呼び出されたことがありました。

■「これ、見て」と彼がシャツをまくると、

「こっちもだ」と背中を私に向けました。 「ほ、ほう~」と私は変に感心しました。

■なんと目の前には見事な龍がありました。

私は「これってシール?」と訊ねました。 彼は「あほ、モノホンだ」と答えました。

■刺青です。私と出会った頃にはありませんでした。

彼は、ちょっと危ない組織に入っちゃったんです。 私は「ま、いいけどなんで龍なんや?」と訊くと、

■「辰年に生まれたからや」と自慢げに答えました。

「じゃあ、子年だったらジェリーで未年だったら メリーさんで卯年だったらピーターラビットか?」

■彼の目は完璧に怒っていました。

ちょっと言い過ぎたようでした。 私は、理由は訊きませんでした。

■それから半年が過ぎた頃に彼から電話がありました。

電話口の彼は、声もかすれて疲れているようでした。 彼は「足を洗いたい」と小さな声で私に言いました。

~ 今日もまた、ちょっと長くなりましたので編集後記に続きます ~

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

■私は「いいことだ」と言ってやったさ。

彼は「付き合ってくれ」と言いました。 私は「え、なにを?おぃ?」と言うと、

■想像もしたくないとっても嫌な答えが頭の中に浮かびました。

すると案の定、彼は「上司に会って欲しい」とすがりました。 私は「上司じゃなくて兄貴だろ?」と泣きそうになりました。

■だから、仕方がないから会ってやったさ。

私は、その日のために腹筋を鍛えました。 最悪、腹を刺されても軽傷で済むように。

■さらしを幾重にも巻こうと思いましたがなかったので、

下呂温泉のロゴが入ったタオルをバシッと巻きました。 これでなにかあっても温泉の効能も効くと思いました。

■ちょっと危ない組織とはいっても、

純粋な極道ではありませんでした。 私は、ビビる彼の隣に座りました。

■結局、小指を守るために現金を積むことで決着しました。

要は、やっぱり純度100%に限りなく近いそれでした。 とりあえず現金を納めるとなんとかカタギになりました。

■それから彼は、人が変わったように仕事をしまくりました。

今までの事情を話してフツーの会社に採用をしてもらうと、 彼は、朝も晩も休日なども関係なくモーレツに働きました。

■夏でも長袖のシャツのままです。社員旅行には行きません。

いつも龍を背負っているからです。でも、彼は平気でした。 反省をするくらいなら最初から彫らない。彼は言いました。

■反省する奴はいない。

するのは後悔だけだ。 彼は、後悔しました。

■今から2年前、ハンドルの操作を誤って彼は亡くなりました。

私は、悲しいと言うよりも、なんだかホッとした感じでした。 反省をすることなく後悔を徹底的にした彼は、いい奴でした。

※これはノンフィクションで悲しいことに実際にあった出来事です。 ただ、起きた日時や事件の詳細については若干、脚色しています。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━