砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1146滴:「おい、坊主ッ!」と「お杉かピーコ」

幼い頃から老けて見られた私は「40歳を過ぎたらお前の時代が来る」と、 ごく身近な人から言われた@すでに3年も過ぎてしまって焦る老け顔です。

ちなみに、小学生の頃から「お前は大器晩成型だ」と言われて育ちました。

ですから、若い頃は鳴かず飛ばずだと思ってなにも努力をしませんでした。

さぁ、そんな若い頃の苦労が40歳を過ぎて報われると教えて欲しかった ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■昨日、浜松から昔の同僚が遊びにやって来ました。

私が一番初めに就職した大きな会社の友だちです。 そう、スーパー石原の前で下着泥棒に間違われた

■可哀想な私を救ってくれた山崎です。しかし、

こいつはいい奴なんですが食い方が下品です。 ズッとその会社にいる山崎と昔話をしました。

■私が気になっていた人間が2人いました。

その当時、1年367日間も働く部長と、 とっても温厚で人当たりのよい課長です。

■部長は、思いっ切り怖かった。風体からしてヤクザでした。

入社したばかりの私は「おい、坊主ッ!」と呼ばれました。 私は「だれにもの言っとんじゃ!」と心の中で叫びました。

■課長は「お杉、ちゃんとやってる?」と笑って言いました。

私は目をパチパチさせながら「当然よ~ん」と答えました。 とても入社して8ヶ月のペーペーとは思えない態度でした。

■ある日、社員食堂で運が悪いことに部長の左後ろに座ってしまいました。

部長は、焼き鮭を口に入れながらも幹部たちと仕事の話をしていました。 そのとき部長の湯飲みの中が空だったので私がソッとお茶を注ぎました。

■すると、部長は席を立って「あ、すいません。ありがと」と言いました。

怖かった。一瞬、殴られるのかと思いました。でも、本当に嬉しかった。 あの「おい、坊主ッ!」としか言わない部長が頭を下げてくれたんです。

■ある日、私のことを「お杉」から「ピーコ」と呼ぶようになった課長が、

残業でオフィスに残っている6人にラーメンの出前を取ってくれました。 すると、釣り銭を持っていない若い店員に「バカかお前」と罵りました。

~ 案の定、ちょっと長くなりましたので編集後記に続きます ~

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

■ま、たしかに釣り銭を持ち合わせない店員も悪いとは思いましたが、

6人分のラーメンを運んでくれた見ず知らずの若い店員に向かって、 目を血走らせながら「バカかお前」と罵ることはないと思いました。

■お杉、改めピーコの中では課長株大暴落です。

見たくなかったですねぇ、あの悲惨な光景は。 きっと他の5人も同じように感じたはずです。

■私は、山崎に「部長は?」と訊くと「取締役」と答え、

「課長は?」と訊くと「子会社に出向」と答えました。 子会社に出向という時点で本社には99%戻れません。

■「おい、坊主ッ!」は怖かったけど温もりを感じました。

「お杉かピーコ」は面白かったけど胡散臭く思いました。 ちょっとしたときに見せる姿がきっと本当の姿なんです。

■まともな人間は、出前にも宅配にも敬語を使うものです。

もう20年近く前の出来事ですが、鮮明に覚えています。 私は、世間の評価は正しいものだとつくづく思いました。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━