砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1151滴:メリーズ・バーへようこそ

自民党の新総裁が決まったという記事が日経新聞に大きく掲載されていた @それを眺めていた上の娘から「なんて読むの?」と訊ねられた杉山です。

ちなみに、それは「派閥の領袖」という私の人生には縁がない言葉でした。

ですから、5秒ほど考えると「はばつのりょうそで」と小さく答えました。

さぁ、そんな娘は「はいはい」と言いながら自分の部屋へと消えて行った ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■その女性は20代の後半で、

とても大人しい性格でした。 大きな机にうつむきながら、

■書類の整理をしていました。

紙とたわむれる羊のようで、 いつも他の社員たちからは、

■メリーと呼ばれていました。大人しい故に、

メリーは自分を表現することが下手でした。 しかし、あることで自己表現をしたんです。

■総務課のメリーは、来客時にお茶を出す係りでした。

あるときメリーは、珈琲にラテ・アートをしました。 そう、珈琲の表面に泡立てられた絵を描いたんです。

■初めは簡単なハートとか葉っぱのデザインでした。

でも、それがお客さんに受けて評判となりました。 すると今度はミッキーやスヌーピーを描きました。

■それが社内どころか、お客さんの噂にまで広がったんです。

当然、ラテ・アートができる道具など会社にはありません。 チョコレートシロップやココアパウダーを持参したんです。

■内向的なメリーは、書類の整理しか満足にできませんでした。

でも、なんとかして自分を表現したいとふと思い立ちました。 それがお茶出し係を上手く使おうと思った1つの要因でした。

■今では、その会社にはデロンギ社製のエスプレッソ・マシンがあります。

きめ細かく泡立てられたフォームドミルクには癒しの世界が描かれます。 紙とたわむれることしかできなかったメリーのバーは今日も大繁盛です。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

声がでかけりゃ自己表現ができるって訳でもありません。 それどころか、本当に営業向きの奴は大人しい性格です。

自己表現は、声の大きさや顔の表情だけでするものではありません。 文字でもできるし背中でもできるし一杯の珈琲でもできるものです。

メリーは「かってね」とか「安いわ」という簡単な文字も描きます。 お客を前にマシンガンのように喋る営業マンよりも上手に売ります。

当然、珈琲に絵を描くには時間が掛かります。 最初の1杯は普通に出すと2杯目に勝負です。

だから、初めの頃は遊んでいるように思った同僚もいました。 しかし、総務課長から「面白い!」と評価を得て続けました。

最初は、多くの敵と1人の理解者から幕が開くものです。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━