砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1164滴:それは100%を尽くした結果

ヤフーの路線情報で岐阜から北海道の稚内まで行くのにどれだけ掛かるか、 まったく行く気などないのに調べた@思いの他、楽しく過ごせた杉山です。

ちなみに、空路を利用しないと稚内まで24時間52分も掛かるそうです。

ですから、さらに有料特急も使わないと38時間28分も掛かるようです。

さぁ、そんな鈍行で行くと仮定してグーグル・アースでその路線を追った ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■私の知り合いに泌尿器科の医者がいます。

彼と安い居酒屋で飲んだときのお話です。 私は「泌尿器科は楽でいいね」と言うと、

■彼は「なんでそう思う?」と返しました。

私は「手術が外科よりは簡単だと思うし、 命への影響が少ないだろ」と答えました。

■すると明らかに不機嫌そうな顔になった泌尿器科は、

コップのビールを飲み干すと「分かっとらんな」と、 今にも掴みかからんばかりの目で私をにらみました。

■言葉にできないくらい思いっ切り怖かったです。本当は、

お前がコップを持つと検尿に見えると言うつもりでした。 そんなことを言ったら異物を注射されそうな気配でした。

■患者は治るか治らないかと訊くが、

医者から見れば生きるか死ぬかだ。 歯の治療だって眼科だって同じだ。

■彼は、そう力説しました。そして「間違っても簡単な手術などない。

生存率は手術の難易度とはまったく関係がない。全力を尽くすから。 日帰りの盲腸の手術でも100%を尽くすから日帰りができるんだ」

■と、まばたきもせず私に向かって叫び続けました。

私は「はい」としか返しようがありませんでした。 手術も試験の合否も0か100かしかありません。

■たとえ5%の生存率とか合格率であっても、

それは100%を尽くした結果の数値です。 最初から95%を捨てた訳ではないんです。

■よく身の回りでは、なんでも数値化しますが、

それはあくまでも100%を尽くした結果で、 その数値まで頑張ればいい訳ではありません。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

数値化する功罪ですね。

今は、なんでもかんでも数値化するので、 頭の中でも物事を数字で判断しています。

例えば、司法試験の合格率が50%に上がったとします。 その他の国家試験の合格率が10%とします。この場合、

数字だけを見れば司法試験を目指そうかなと思いますが、 受験している分母のレベルが象と蟻の差ほど違うんです。

主婦が片手間に勉強して受験しても受験者数に入ります。 でも、司法試験を台所で勉強して受験する奴はいません。

間違いなく数字が与える弊害なんです。 結果は、0か100しかあり得ません。

日帰り手術を簡単な手術と思っている人々が多いですが、 1日を要する手術でも30分で終わる手術でも全力です。

二日酔いや片手間でまっとうできるものは存在しません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━