砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1185滴:会議の席で広げる大きな風呂敷

透明の下敷きに1BとかHRとか描いて野球盤で遊んでいた中学生の私は、 中日に10点以上の大差をつけて勝たせていた@一週間で飽きた杉山です。

ちなみに、下敷きのコーナーに画鋲を置くと真下から親指ではじきました。

ですから、中日の攻撃では毎回のように画鋲が3BかHRまで滑りました。

さぁ、そんな対巨人戦では背番号11の三沢淳が完全試合を8回もやった ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■8人の幹部クラスが出席する営業会議に参加しました。

その会社は、販売管理のプログラムを販売しています。 お値段的には60~70万円くらいの商品が多いです。

■社長を筆頭にして専務、常務、営業部長たちは、

珈琲を飲みながら熱い議論を交わしていました。 すると、課長が白板になにかを書き出しました。

■「○○産業、▲▲自動車工業…」という具合に、

地元では有名で大きな会社を白板に並べました。 私は「その会社はなんですか?」と訊ねました。

■すると、ダンヒルのボールペンを愛用する社長が、

「うちの商品を売るターゲットですよ」と言うと、 白板に書かれた文字を誇らしげに眺めていました。

■「ほう、5社ですか。売れるんですか?」と私がさらに訊ねると、

「これからその策を考えるんですよ」と今度は課長が答えました。 「ま、ダメだな」と薄っすら聴こえるかどうかの声で呟きました。

■大体、策や能がないと具体的に書き出すものです。

それらの会社が買うかどうか分からないどころか、 万が一、買ったところでそれで終わっちゃいます。

■営業会議の席で具体的な売り先を並べる時点で終わっています。

どんな層の会社にどうやって攻めるのかがインポータントです。 なんでもかんでも個別に名前を挙げればいい訳ではありません。

■朝から晩までその会社のことをズッと思っていても売れません。

恋人でもあるまいし気持ちが悪いだけです。私は、8人を前に 会議の席では絶対に風呂敷は大きく広げましょうと言いました。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

先端の営業マンなら具体的な売り先は大切ですよ。 でも、腰が重い幹部クラスがそれでは終わりです。

それから数日が経ちました。気になったので、 営業部長に進捗状況を電話で訊ねてみました。

すると案の定、白板の5社の名前を挙げました。 その5社は一体、何十セット買うのでしょうか。

策や能がない幹部たちは、具体的な名前を並べるだけで安心しています。 バカの一つ覚えみたいに、なんでも具現化すればいい訳ではありません。

上の人間は投網を投げる位置を絞りきることが仕事です。 実際に網を投げるのは、現場にいる営業マンの仕事です。

おっさんが8人も揃って「あそこがいい」とか叫んでも、 合コンじゃないんだから相手は振り向いてもくれません。

どうでもいいお話ですが、風呂敷はピロシキに似ている。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━