砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1333滴:両足を失いかけた初老のエンジェル

昨日、JRに乗って帰ろうと名古屋駅の階段を駆け上がったら「ポン」と 割れるような音がした@周りの風景がスローモーションになった杉山です。

ちなみに、左足のふくらはぎが肉離れになったみたいで激痛が走りました。

ですから、まったく動けないので駅の構内の人ごみの中に座り込みました。

さぁ、そんな大垣行きの電車を見送るたびに今日中には帰れないと思った ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

この話はノンフィクションで、残念ながら腹が立つほど事実です。 これを掲載するに当たっては、本人に無報酬で許可を得ています。

■19時30分頃。私は、目の前が真っ暗になりました。

白いふくらはぎがパンパンに腫れ上がって動けません。 5メートル先のエスカレーターまでたどり着けません。

■「これ、帰れねぇ…」と人ごみの中で呟くと、

邪魔にならないように壁際で座り込みました。 左足を引きづりながら歩くこともできません。

■頭上にある電光掲示板を眺めながら、

4~5本の大垣行きを見送りました。 時間にして1時間くらいでしょうか。

■「もう限界。駅員を呼ぶか」と20回は頭の中で呟きました。

これは確実に肉離れだから今日中には治らないと思いました。 でも、駅員が辺りに見当たりません。私は途方に暮れました。

■と、そのとき「杉山さん?」と初老の男性が声を掛けてくれました。

速攻で「うん、杉山です♪」と涙目の顔をあげて笑顔を作りました。 それは、漂流している太平洋のど真ん中で天使に会った気分でした。

■「お体の具合でも悪いんですか?」と天使が訊ねました。

どうやら遠くで10分ほど私の様子を見ていたようです。 「えぇ…、なんとなく肉離れっちゃったようです」と私。

■「あれあれ、それはいけませんねぇ」と心配そうに天使が言うと、

「神田町でしたね?私は○○町ですので一緒に帰りましょう」と、 肩を貸してくれました。まぁ、それでも痛くて泣きそうでしたが。

■「できればおんぶ!」と思いましたが、願いは通じませんでした。

満員の車内でしたが、天使が「この方は足をケガしています」と、 叫んで強引に座らせてもらいましたが、なぜか天使も座りました。

~ 案の定、ちょっと長くなりましたので編集後記に続きます ~

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

■車内で名前を訊ねたら以前に3~4回ほどメールを交わした方でした。

天使は「杉山さんには毎日、励ましてもらっています」と言いました。 私は、自分のHPに顔写真を貼っていて本当によかったと思いました。

■そうこうしているうちに岐阜駅に到着しました。

私は「家のものを呼びますので」と頭を下げて、 「住所を教えて欲しいのですが」と言いました。

■すると初老のエンジェルは「お礼なら結構ですよ」と首を大きく振って、

笑いながら「片足どころか両足を失いかけたときに助けてもらいました。 これからも歯に衣着せぬお話をたくさん聴かせて下さい」と言いました。

■とっても嬉しかったです。そして、言いたいことは、

私は、みなさんが思っているよりもいい人なんです。 徳を積むとはこーいうことね、と感慨に耽りました。

■1つのふくらはぎを痛めただけで自宅に帰れません。

でも、そのような方がそこら中に居るのが現実です。 私のやっていることが少しの助けになって幸いです。

天使には10分も放置しないで欲しかったと伝えました。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━