砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1631滴:10分に1回の上司の目

カチャカチャとパソコンのキーを叩きながら仕事をする上司。 島の形に机を並べた部下たちを監視するように座っています。

そして時折、ふっと目を上げて見渡します。 すると、部下たちはサッと自分のパソコンの画面に目を逸らします。

きっと粗探しをされるとか、嫌な仕事を押し付けられるとか、 そんな勘違いをしているのでしょう。

でも、まったく違います。

会社の上司に限らず、目上の人が部下や目下の者に目を向けるときは、 自分と同じ考え方をしている奴を探しているだけです。

要は、仲間づくりをしたいだけなのです。

私の豊富な経験上、78%の確率でそうです。 ま、78%というのが今一つ微妙な数字です。

仲間づくりをしたいとメガネをずらしながら見渡しているのに、 話し相手になるどころか、みんな一斉に目を逸らして知らん顔するから、

いつも上司がカッカと怒っているように見えるのです。

今日のお昼に一緒にランチに行こうと言っている訳ではありません。 この事案に対して同調してくれる奴が欲しいだけです。

「はい。いいと思います」とたった一言でもいいから、 少し驚いた素振りで頷いてくれる奴が欲しいだけです。

それなのに営業3課の連中ときたら、人をまるで 新種のインフルエンザかのように1cmでも多く距離を置こうとします。

だから、人の気持ちがまったく分かっちゃいません。

上司がふっと目を上げたそのときに、 レッサーパンダのようなあなたの作り笑顔と目が合えば、

それだけであと3年くらいはその会社で食っていけます。

その上司の意見が正しいか間違っているかなんて、 あなたにとってはどーでもいい話です。

その会社に定年まで居続けるためにはどうしたらいいのでしょうか?

ノルマを達成する? お客さんを大事にする? 新製品を開発する?

いいえ。あなたが営業3課の課長のお気に入りになることです。 そして、それは超簡単にできます。

上司と目が合えばそれでOKです。

幸いなことに同僚たちは、みんな一斉に上司から目を逸らしてくれます。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

そのチャンスはいくらでもあります。 上司は、10分に1回はふっと目を上げます。

そのときです。周波数をバシッと合わせます。

確実に好かれますって。

初めて訪れたパリのエッフェル塔の前で、 たった1人の日本人を見つけた気分です。

周りは全員フランス人よ。なにを喋っているのか全然分からないところへ、 「まぁ~疲れたわ」という日本語が聞こえて来たら嬉しいじゃないですか。

それとまったく同じことです。

上司の孤独の壁をレッサーパンダのような作り笑顔で打ち破った奴だけが、 その会社でサラリーマンとして生き残っていくはずです。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━