砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1633滴:「調子がいい」と感じるその真実

例えば、向こう岸に渡る頑丈な橋があるとします。

でも私は、それが最低でも3つないとその川を渡る仕事はしません。

せっかく時間とお金を掛けて苦労して軌道に乗せた仕事が、 たった1つの橋が壊れたせいでパーになったら泣くにも泣けません。

そんなこと当たり前だとおっしゃるでしょうが、 だったら今、あなたは不景気じゃありませんよね?

順風満帆に事が進んでいると思ったときには、 間違いなくなにかを見落としているだけです。

悪い因子(要素)は良い因子と同じ分だけ必ず存在します。

今、仕事が上手く行って楽しくてたまらない。 だったら、それと同じ分だけ辛くなる因子はどこかに隠れているはずです。

調子が悪くなったのは、なにか悪いものが急に発生したんじゃなくて、 気づいていなかったマイナスの部分が表面に現れただけです。

未病です。

病気ではないけど、病気になる因子はどこのどいつにでも均等にあります。 それが分かっている奴は、1つの橋しかない川を往来する仕事はしません。

事が順調に運んでいるように感じたときは、 とっても恐ろしいなにかを見落としているはずです。

それに気づいている奴は今、どんなに景気が良くても、 向こう岸に渡る橋を何本も必死に作っているはずです。

その光景を見て「この時代になにやってんの?」と嘲笑っていた奴が今、 赤字に凹んで銀行からソッポを向かれて苦しんでいるんじゃないですか。

だれもが踊ったバブルの時代に「これは異常だ」と、 サブプライムローン制度を「これは破綻する」と思った奴は、

いくら世の中が不景気になって落ち込んでも微動だにしていません。

悪い部分が見えないときに「調子がいい」と感じるだけです。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

私は、絶対に退路を断ちませんからね。

長良橋が事故で通行止めになったら金華橋。 金華橋もダメだったら忠節橋。

3つあれば、どれかは必ず生きています。

向こう岸に1回渡るだけなら、 橋が1つあれば十分ですが、

そこを往来しないと成り立たない仕事なら、 最低でも3つないとその川を渡る仕事はしません。

順調とは言えないまでも今、私は不景気を感じることなく、 普通に仕事をしています。不景気の「ふ」の字も「け」の字もありません。

それは、絶えず最悪なことが起きると想定してやっているからです。 それを「貧乏性」だと嘲笑っていた奴が今、苦しんでいるだけです。

心からご愁傷様です。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━