砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1636滴:目的地への道筋は決まってひとつ

J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読んでいます。 とは言っても、もうこれで数十回目ですが。

狂人っぽいストーリーなので、頭の中をグチャグチャにするのに最適です。 そこらの安っぽいコンサルとかビジネス書よりは何百倍も価値はあります。

たった780円なのに。

そこで私は、ふと思いました。どうして多くの社長たちが、 志半ば(こころざしなかば)でコケるのかってね。

それは58ページ6行目の「そしてデザートはブラウン・ベティなんだが」 という一文を読んだときです。

名古屋から東京へ行こうとします。目的地(目標)は東京です。

すると、分厚い事業計画書には

1.JRを使って新幹線で行く

2.セントレアから飛行機で行く

3.東名高速を使って車で行く

という3つの道筋を立てることができます。

そう、計画の段階では道筋は多くても構いません。 その中で最良と思われるものを1つ選べばいいだけです。

間違っても徒歩で行くとか、各駅停車で行くとは書かないはずです。

そして、1.新幹線(のぞみ)で行く を幹部会議で採決しました。

しかし、あと15分で到着するというのに横浜で降りると、 静岡まで戻って今度はタクシーで東京へ向かおうとします。

要は、すべての道筋をたしかめようとしているのです。 例えが極端過ぎますが、みんな同じようなことをやっているはずです。

道筋は1つで十分なんだって。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 理科の実験じゃないんだから、すべてを検証することはありません。

曲がりくねった道でも構いません。1つの道筋ならば。 東海道新幹線は真っ直ぐ走っていません。

でも、黙って乗ってりゃ1時間42分で到着するもん。

今、曲がりくねった道を歩いているような気がしますよね。不安ですよね。 目的地は薄っすら遠くに見えているんだけど回り道をしているような。

いつもそこで引き返して道筋を変えるから、 いつまで経っても目的地にたどり着かないんです。

曲がりくねった道でも1つの道筋(1本の道)だったら、 絶対にいつかはたどり着きます。

もっと言えば、真っ直ぐな道などあり得ません。 もしあるとすれば、奈落の底への近道だけです。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

ちなみに、上記の本文と58ページ6行目の「そしてデザートはブラウン・ ベティなんだが」という一文とはなんの因果関係もありません。

ただ、ふと思っただけです。 でも、それが一番大切なことです。

なんかいつまで経っても同じところを回っているような気がする。 まるで名古屋港水族館のイワシの回遊だ。

あなたは今、そんなことを思っていますよね?

そこで引き返して、もう1つの異なる道筋を選ぶと、 東山動物園の象の檻の中です。さらに狭くなっています。

曲がりくねっていても1本の道だったらいつかはたどり着きます。 あとは、その「いつか」を「明日」にすることを考えればいいだけです。

しかし、次から次へとしょっちゅう乗り物や道筋を変えていたら、 いつまで経っても名古屋駅前にあるナナちゃん人形の股の下です。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━