昨日も、ある若いサラリーマンから起業についての相談を受けた。 どうやらネットショップで1ヶ月に30万円(利益)を稼ぐらしい。
それはそれで大変結構なことだが、 30万円×12ヶ月=360万円となる。
所詮、年収に換算すればその程度に過ぎない。それどころか、 独立をすれば国民年金、健康保険料、ガソリン代まですべて、
その中からまかなわなければならない。少しでも動けば即、支出。 楽しいはずが苦しくなり、食べるだけで精一杯の生活となる。
今、稼いでいる30万円が有意義に思えるのは、 サラリーマンという安定の上にあるからに過ぎない。
そのときふと、この手の勘違いをしている連中は非常に多く、 決まって想定内のことだけにしか対応できないと思った。
壁に将来の夢を描いた大きな紙を貼り付け、 さらにはそこに写真などを駆使してコラージュしてみせる。
安価な経営計画書のビジュアル・バージョンとでも言ったところか。
想定内のことは、だれにでも対処できる。 問題は、想定外の事態に直面したときだ。
だからこそ計画をしっかり立てるんだ!という声が聞こえてきそうだが、 計画の中身は100%想定内のことに決まっている。
そこに書き表すことができない事態を想定外と言う。
今は遮るものがなく、日当たりもよくとても心地良いが、 南側に20階建てのマンションが建ったらどうだろうか?
傍から見れば「3年後にはマンション建つだろ」と分かりきったことでも、 当の本人にはまったく見えていない。
恐ろしいことに、第三者からすれば想定内のことでも、 当事者にはそうでない場合が往々にしてある。
●南側に20階建てのマンションが建つことを予測しているのか
●南側に20階建てのマンションが建っても大丈夫な状態なのか
それを考えたときに、この30万円を稼ぐサラリーマンは、 間違いなく日照権を侵害されたと文句を言う奴だと思った。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
どうでもいい話だが「じんかいせんじゅつ」を 人海戦術ではなく、人開戦術だと昨日まで信じていた。
毎日、普通に暮らすことができるのは、 日常の出来事が想定内の繰り返しだからに過ぎない。
何か問題が発生したとき、ある程度は予測していた範疇ならOKだが、 まったく予測もしていない想定外の事態だったら、致命傷となる。
最低限、それが理解できているかどうかだね。
ただ、南側に20階建てのマンションが建つことを予測して、 毎日、怯えて暮らすのもどうかとは思うが。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━