「100年に一度の大不況で先が見えません。どうしたら。。。」と、 ムダに悩んでいる社長が実に多い。
では訊くが、3年前のお前には先が見えたのか? 3年前に先が見えたなら、この未曾有の大不況も容易に予測できたろうに。
要は、いつの時代も先など絶対に見えっこない。
ユリ・ゲラーでも江原啓之でも未来どころか一寸先すら見えるはずもない。
「さらに頑張って将来をもっと幸せに過ごしたい」 このように思っている社長が多いが、すると今は不幸だということになる。
「もっとお金が欲しい。もっと自由になりたい。もっと立派になりたい」
これを日本語に翻訳すると、
「私は救い難いほど貧しく、手錠で拘束された生ゴミのような人間です」
となる。
「もっと」と「さらに」を口にすることで、 「今は不幸のどん底だ」と自覚することになる。
普通にやればいい。頑張って1つを成就したところで、 頑張らなきゃできないことは絶対に長く続きはしない。
続かなければ、せっかく手に入れたものを失うハメになる。
せっかく手に入れたものを失うことによって、 それがなかったときよりも大きな屈辱と深い悲しみを味わうことになる。
であれば、最初からなかった方が幸せだったろうに。
「もっと元気になりたい」と思うことによって、 ちょっとの風邪で普通の人の倍以上の苦しみを味わうことになる。
だから、今から先のことを憂いても仕方がないし、 つまらぬ希望を抱いてもかえって今が不幸になる。
日日是好日(にちにちこれこうじつ)という言葉があるが、 簡単に言えば、今がピークだと思えということだ。
目の前の粗末な料理をどう味わうか。 どのようにすれば質素な料理を有意義に楽しむことができるのか。
今がピークだと思えば、自ずと知恵と勇気が湧いてくるものだ。
将来に希望を抱くことによって、今が不幸だと自覚をし、 過去を反省することによって、ムダな時間を費やすことになる。
今が100年に一度の大不況でなくとも、 苦しい会社は3年以上も前から苦しいはずだ。
自分の無能さを世の中の大不況に便乗させているだけだ。
今、できることを精一杯やっていれば3年前も3年後もなにも変わらない。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
目に見えないものの中で最もムダというか愚かな行為と思うことは、 後悔と反省。
それをして一体、どうなるのかが私には分からない。
あと、精一杯と一生懸命とでは、私の中では かなり違った受け止め方をしている。
水がコップに一杯になることを精一杯と言い、 水がコップから溢れることを一生懸命と言う。
だから、精一杯には限界と秩序と理性と自制があるが、 一生懸命にはそれがなく、歯止めがきかない江頭2:50と言ったところだ。
日日是好日。実にいい言葉だとつくづく思う。
それさえ腹の底から自戒していれば、なんの苦しみも欲もなくなる。 だって、今がピークなんだから。
3年前が今と比べてそんなに素晴らしい時代だったとも思えない。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━