多くの社長の愚痴、恨みつらみに耳を傾けるとよく分かるが、 「○○社がウチとの取り引きをしてくれない」とは言わない。
「○○社がウチのライバルの△△社に乗り換えた」とは嘆く。
要は、今まで世話になった、やさしくしてくれた人(会社)との 縁が切れたときにだけ愚痴や恨み節を吐いている。
先月まであんなに発注してくれたのに、 休日はゴルフで一緒に汗を掻いたのに。
その縁が切られたとき、その相手は居酒屋で延々と愚痴られる対象となる。
よく考えればおかしなもので、今までに1円もくれたことのない人、 1個も発注してくれたことのない会社の社長と居酒屋で飲みながら、
それまでさんざん世話になった人(会社)のことを悪く言うのが常だ。
本来ならば、感謝はしても愚痴や恨み節の対象にはならないと思う。
むしろ、愚痴を言ったり恨み節の対象となるのは、 目の前で一緒に飲んでいる「得にも害にもならない奴」だ。
しかし、本当に世の中はおかしなもので、 一度でも世話になった人が去ったときにだけ恨みつらみが出るものだ。
1円も払っていない奴を恨むことは、まずない。
愚痴や恨みつらみを吐いてもOKだが、 その対象が間違ってはいないだろうか。
縁を切られた、他社に乗り換えられたというのは、 それまで世話になった、苦しいときに助けてもらったという証拠だ。
得にも害にもならない相手と居酒屋で安い酒を酌み交わす暇があるのなら、 それまで面倒を見てくれた人がなぜ去ったのかこの数ヶ月を顧みることだ。
本当の敵は、たったの1円でさえも払ってくれない奴しかいない。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
人間は、マイナスになったときにだけ愚痴をこぼす。
それまで付き合ってくれた大切な人が去る。 毎月、何百万円も取り引きをしてくれた会社が他社に乗り換える。
これらは、今までせっかく積み上げてきたものが、 目に見えて崩れ去ったから「マイナスになった」と感じただけだ。
逆に言えば、今までにそれだけのものをくれたし、 それだけのことをしてくれたので、感謝をしても恨む対象にはならない。
なのに、世間の連中はそれが分かっていない。
それどころか、今までに何のメリットも与えてくれない連中たちとは、 笑顔で普通に接している。どう考えてもおかしいし、滑稽だと思う。
今、愚痴や恨みつらみの対象となっている相手の顔を思い浮かべて、 過去に世話になった恩人ではないかどうか、今一度、確認してみるといい。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━