砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1658滴:それ以上にバカちんの看護婦から学んだこと

ちょっと前まである個人病院で点滴を打っていたが、 今ではまったく行っていない。

院長は、一週間に1回は打つようにと言っていたが、 あることが原因で行かなくなった。

それは点滴を打ってくれた看護婦が、私の腕に針を刺すとき、 「あの院長のバカちんが…」と私に笑って言ったからだ。

どうも看護婦たちと上手くコミュニケーションが取れていないようだが、 それにしても命を預ける医者に対して「バカちん」はいかがなものか。

しかも、部下から。

私は笑ったが、それはおかしくて笑ったのではなく、 バカバカしいから失笑しただけ。

「トップがバカちんなら、それに使われているお前は それ以上にバカちんだろ」と普通の人間なら必ず思う。

そんな病院に行っても変な菌を拾ってくるだけだと思い、 今ではまったく行っていない。

いくら血の巡りをよくする点滴でも、院長をバカ呼ばわりする 看護婦に打ってもらってはできなくてもいい血栓ができるような気がする。

そして、ビジネスでも同じことが言える。

いくら画期的な商品であっても、部下である社員が、 自社の社長のことをバカ呼ばわりしているようでは絶対に売れない。

が、その逆は大いにあり得る。

そう大した商品でもないが、自社の社長さえ褒めていれば 間違って売れる。

商品に特徴がなければ、自社の社長を褒めていれば売れる。

パナソニックの社員は、未だに頭の中は松下電器のままで、 没後20年が経った今でさえも松下幸之助を崇拝している。

社員たちは、胸のバッヂに誇りをもって営業しているので、 トップが名前も覚えられない外国人になったソニーとは雲泥の差だ。

極端な話、お客からすれば商品など何でもいいしどうでもいい。 今の時代、悪い商品などほとんど存在しない。

その企業に期待がもてるかどうか、信頼がおけるかどうかだけだ。

そんなことを「それ以上にバカちん」の看護婦の この世のものとは思えないほど不細工な顔を思い浮かべながらふと思った。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

能がない営業マンが、よく自虐でお客から笑いを取ろうとするが、 その対象は社長ではなく、自分自身をバカにするべきだ。

目の前の商品を売りたいから、その商品自体をバカにすることはできない。

だからといって「うちの社長は○○なんで…」とか笑いのネタにするのは、 言語道断。そこにいない奴の悪口ほど相手に不快感を与えるものはない。

「バカが作った商品を俺が買うと思うか?」と普通の人間なら思う。 そして「バカに使われているお前は、もっとバカだ」とも思う。

無能であろうと何であろうと、社員は自社の社長を褒めさえすればいい。

目を細めながら耳を傾けるお客はいても、それで怒るお客は1人もいない。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━