砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1666滴:見つめ合って半年、明後日の方向を向いて一生

夫婦関係が長続きすることと、社長と社員の関係が 長続きすることとは、よく似ていると思う。

どちらも最初は好きで好きでジッと見つめ合う。 毎日のように見つめ合ってもまったく飽きない。

惚れ合って一緒になった男と女。 認め合って一緒になった社長と社員。

それなのに半年もすると、相方の箸の上げ下ろしさえ疎ましく思う。 コピーを取る社員の背中を見るたびに「外で客でも取って来い」と思う。

それは一体、なぜだろうか?

答えは簡単。

同じ方向を向いていないからだ。

惚れ合ったり認め合っている最初のうちは、 ジッと見つめ合ってさえいれば十二分に満足するが、

時間が経つにつれて確実に飽きが来る。 双方の目的がズレてくるから次第に嫌気が差してくる。

縁もゆかりもない2人が結び合うためには、 向かい合ってジッと見つめ合う時間も大切だが、

結び合ってからは、同じ方向を向かないと絶対に長続きはしない。

その先の目標は、崇高なものでも違法なお金儲けでも何でもいい。

とにかく、お互いが1つの目標に向かって平行に、 均等に距離を置くことが大切で、

見つめる先は、お互いの顔ではなく1つの目標に。

それができれば死ぬまで、定年まで長続きはする。

いつまでも向き合っていなければと思うのが大きな間違いで、 縁さえ結んでしまえば、あとは明後日の方向に目を向けたほうがいい。

お互いの顔から視線を少し逸らして、 1つの方向に目をやれる関係しか長くは続かない。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

最初のうちは、見つめ合っていると相手のいいところばかり目に入る。 もっと言えば、いいところしか探そうとしない。

しかし、所有権を手に入れた途端に、 相手の悪い(経費が掛かる)部分しか探そうとしなくなる。

だから、あれほどしつこく口説いて入社させた社員なのに、 コピーを取る背中を見るたびに「売上げは外にしかない」と思い始める。

すでに手に入れた訳だから、お互いが向き合うことなく、 壁に貼った立派な目標にだけ目を向けていれば済む話だ。

絶対に達成できない明後日の方向に。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━