砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1726滴:お断り

人間関係がギクシャクし始めるそのキッカケとなるのが、 お断りをするとき。

相手が悪意であれば、なにも問題はありません。

ンもスンもなく断ればOKですが、 相手が善意だとちょっと厄介です。

例えば、自社の社長が「○○君、取締役にならないか?」と言ったとします。 その社長は100%善意です。

「うちの役員になれるんだよ!君のことは最大の評価をしているんだよ」と、 腹の底では満面の笑みで言わんばかりです。

しかし、言われたこっちからすれば、 上場企業以外で役員になったところでなんのメリットもありません。

それどころか、登記簿謄本に名前が載るので、 最悪の場合には監督責任のようなものが降り掛かってきます。

でも、社長は100%よかれと思って言っています。 今回のお誘いをお断りすれば、今月はいいにしても、

来月くらいからギクシャクし始めるかも知れません。

さぁ、あなただったらどう対処するでしょうか?

私なら「親の遺言なので…」と言いますし、今までも言って来ました。

実際にオヤジは「親戚どころか兄妹の間でも保証人にはなるな!」と、 私が高校生のときから耳にオクトパスができるほど言っていました。

「日本では印鑑を捺したら終わる」というのが座右の銘です。

だから、きっと好意なんだろうけど私にはちょっと…という場合には、 「とてもありがたいお誘いなんですが、親の遺言なので…」と断ります。

相手の無垢の善意ほど、一歩間違えば鋭い刃と化すものはありません。

使えるものはなんでも使って自らの身をパーフェクトに守りましょう。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

ちなみに、オヤジが生きているときから、 「親の遺言なので…」と使っていました。

固有名詞さえ出さなければ、先祖はすべて親も同然。

「親の遺言なので…」と返したときに、 「ちぇッ、なんだよ」と言われたことは一度もありません。

また「遺言」が重ければ「家訓」でも「支持・命令」でも構いません。

要は、道徳的な盾(たて)があればいいだけです。

人間関係がおかしくなったり狂い出すのは、お断りから。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━