砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1781滴:リセットなんて絶対にあり得ない

つい先日、裁判所に破産を申請した社長とコメダ珈琲で会いました。

この場合の「つい先日」は、「会いました」ではなく、 「申請した」に修飾します。

早い話、最近コケた会社の元社長ということです。

その元社長曰く「杉山さんのおかげで気分がとっても楽です」と。 私は、なんのこっちゃ分からなかったのでその理由を訊ねたら、

「借金で火だるまになったら破産してリセットすればいいじゃん♪」と、 このメルマガで私が何回も言ったからだそうな。

おいおいおいおい、私はそんなことは一言も言っとらん。

借金で首を吊るくらいなら、 破産という合法的な手段を取ればいいと言っただけです。

本来なら、借りたもんを返すのは人として当たり前です。

それに、リセットなど絶対にあり得ない。

人を殺しても15年で刑期を終えて出所するでしょ。求刑どおり償ったら、 それまでの過去をリセットしたことになって0からスタートできちゃうの?

できないでしょ。

いくら刑期をまっとうに終えたとしても、 やった事実は一生、背負って生きて行かなければなりません。

それはなぜか? この世が本番だからです。

大体、リセットとかいう安い家電が好むような言葉を使う連中は、 何回でもやり直しがきくと思っている非常に浅はかな霊長類です。

そんなもん絶対にきかないって。

一度でも失敗したら終わりです。

でも、そんなこと言ったら怖くて何もできないじゃないですか!と、 おっしゃる方もそこら中にいるかも知れません。

だから、成功した人が一握りしかいないんじゃないですか。

ベンチャーでも大企業でもそう。成功した社長たちが、 「失敗してもまた次があるさ」と信じてやったと思いますか?

一度でも失敗したら、お・し・ま・い と思ってやっているに決まってるじゃないですか。

だからこそ、打つその一手が真剣になるのです。

リセットなんて絶対にあり得ない。

何十年前に犯した罪でも、会社を潰した愚行でも、 墓場まで背負って逝くのが紛れもない本当の姿です。

今日の行いは、死ぬまで背負うつもりで取り掛かることです。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

何回も言っていますが、私は「失敗は成功のもと」という言葉が、 反吐が出るほど大嫌いです。

とろろやトマトジュースと同レベルです。

ちなみに私は、とろろやトマトジュースを口に入れただけで、 伊丹十三監督の映画のようにリアルに吐きます。

勝負は、この世なのよ。あの世じゃないのよ。

やり直しはききません。寿命が300年あったら別ですが。

一度でも失敗したら、お・し・ま・い と思ってやれるかどうかがハッピーの分岐点ではないでしょうか。

であるからこそ、私はリスクの少ないことにしか手を出しません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━