つい先日、裁判所に破産を申請した社長とコメダ珈琲で会いました。
この場合の「つい先日」は、「会いました」ではなく、 「申請した」に修飾します。
早い話、最近コケた会社の元社長ということです。
その元社長曰く「杉山さんのおかげで気分がとっても楽です」と。 私は、なんのこっちゃ分からなかったのでその理由を訊ねたら、
「借金で火だるまになったら破産してリセットすればいいじゃん♪」と、 このメルマガで私が何回も言ったからだそうな。
おいおいおいおい、私はそんなことは一言も言っとらん。
借金で首を吊るくらいなら、 破産という合法的な手段を取ればいいと言っただけです。
本来なら、借りたもんを返すのは人として当たり前です。
それに、リセットなど絶対にあり得ない。
人を殺しても15年で刑期を終えて出所するでしょ。求刑どおり償ったら、 それまでの過去をリセットしたことになって0からスタートできちゃうの?
できないでしょ。
いくら刑期をまっとうに終えたとしても、 やった事実は一生、背負って生きて行かなければなりません。
それはなぜか? この世が本番だからです。
大体、リセットとかいう安い家電が好むような言葉を使う連中は、 何回でもやり直しがきくと思っている非常に浅はかな霊長類です。
そんなもん絶対にきかないって。
一度でも失敗したら終わりです。
でも、そんなこと言ったら怖くて何もできないじゃないですか!と、 おっしゃる方もそこら中にいるかも知れません。
だから、成功した人が一握りしかいないんじゃないですか。
ベンチャーでも大企業でもそう。成功した社長たちが、 「失敗してもまた次があるさ」と信じてやったと思いますか?
一度でも失敗したら、お・し・ま・い と思ってやっているに決まってるじゃないですか。
だからこそ、打つその一手が真剣になるのです。
リセットなんて絶対にあり得ない。
何十年前に犯した罪でも、会社を潰した愚行でも、 墓場まで背負って逝くのが紛れもない本当の姿です。
今日の行いは、死ぬまで背負うつもりで取り掛かることです。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
何回も言っていますが、私は「失敗は成功のもと」という言葉が、 反吐が出るほど大嫌いです。
とろろやトマトジュースと同レベルです。
ちなみに私は、とろろやトマトジュースを口に入れただけで、 伊丹十三監督の映画のようにリアルに吐きます。
勝負は、この世なのよ。あの世じゃないのよ。
やり直しはききません。寿命が300年あったら別ですが。
一度でも失敗したら、お・し・ま・い と思ってやれるかどうかがハッピーの分岐点ではないでしょうか。
であるからこそ、私はリスクの少ないことにしか手を出しません。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━