このようなご時世だから、もっと個性的な商品、もっと個性がある社風を! という企業や社長が多いです。
そうですか。では、その個性的の「個性」とは一体、何なのでしょうか。
それは、コンプレックスのことです。
よく「個性を伸ばす」と言いますが、そうしたければ、 自分の最も嫌いな部分を伸ばすしか方法はありません。
個性的なマジメな奴。個性的な親孝行な奴。個性的な賢い奴。
こんな連中を見たことがありますか?
いくら優れた部分を伸ばしても、それは個性とはまったくリンクしません。
方向音痴な奴なら、自宅の前でも迷子になるほど徹底的に方向音痴になる。 料理が苦手な主婦なら、そこらの野良犬も食わないようなメニューを作る。
どうですか? 思いっ切り個性的だと思いませんか。
世間で言うところの「あの人って個性的だよねぇ~」は、 往々にして褒め言葉ではありません。
ちょっと変わった人ね!という意味合いです。
しかし、そーいう奴の方が記憶に残るし、商品価値としても優れています。
であれば、自分にとって「コンプレックス」だと思う部分を 露骨なほど前面に打ち出したらいいじゃないですか。
それしか個性を伸ばすことはできません。
世間が言う「いいところを伸ばす」やり方は、 いかに「標準的な人間」を作るかという真逆な行為です。
十把一絡げで無味乾燥な人間に、会社になりたければ、 いい部分を必死こいて伸ばせばいい。
しかし、個性的な人間に、会社になりたければ、 過剰にコンプレックスを磨けば簡単になれます。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
とは、言ったものの、それぞれの個性なんて 無理に伸ばしたり磨いたりする必要はありません。
ただ、自分にこびり付いたコンプレックスやトラウマを払拭したい場合は、 激しくそれらを前面に打ち出せば簡単に拭い去ることができると思います。
そんなもんです。
巷には、教科書しか知らないようなコンサルタントが、 偉そうに「もっと個性を磨きましょう」とか踏ん反り返っています。
しかし、そいつの言うとおりにすると、極めて標準的な社員が誕生します。
個性を伸ばすには、自分が抱えるコンプレックス、もっと言えば、 自分の中の最も悪しき部分を徹底的に磨くしか方法はありません。
それを中途半端な状態でやめると変人で終わり、 最後まで突き詰めると長嶋茂雄と同じレベルになります。
長島茂雄って日本中で最も個性的な人間じゃないですか。あの人、 いい部分を伸ばしたからあのような個性的な人間になれたと思いますか?
言わずもがなですね。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━