砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1805滴:教育という名の飼育

ある社長夫妻から、自らの夫婦喧嘩の仲裁役を頼まれたことがあります。 まぁ、犬も食わないとはよく言ったもので、本当につまらないものです。

社長「杉山さん、こいつは俺を束縛し過ぎるんだよ」

奥様「あなたが心配だからじゃないの」

社長「高校生じゃないんだから、なんで俺に門限があるんだ!」

奥様「あなたには前科があるじゃないの!」

あ゛ー、バカバカしい・。・・¥

でも、こーいう無意味にヒマな夫婦はとっても多いです。

「束縛」や「拘束」や「門限」という言葉に含まれる真意は、 身近な場所に囲っておきたい、そばに居て欲しいという願望の表れです。

これを「愛」とか「独占欲」と置き換える愚か者がいます。

それ、まったく違います。

身近な場所に囲っておきたい、そばに居て欲しいというのは、

「私がいないときに自分だけ美味しいものを食べるのは卑怯じゃないの」と いうことしか考えられません。

そんなものは愛でも独占欲でもありません。単なる食欲です。

私が幸せじゃないのに、なんであなたが幸せになるの?

この社長夫妻の腹の中は、これがすべてです。

そこでやっと本題です。

これらのことは社長と社員の関係においてもまったく同じことが言えます。

そこらの社長は「うちの社員が幸せになってくれればいい」とか言います。 でも、本当に社員が幸せになりかけたらそれを阻止しようとするはずです。

例えば、実際にあった事例ですが、社長がクラウンに乗っているのに、 30代の社員がレクサスを買っちゃったケースがありました。

都会の会社では考えられないかも知れませんが、田舎の会社では 社長よりも社員の方がお金持ちということがよくあります。

田んぼなどの土地持ちの家の長男は、働かなくてもお金はある。 ただ世間体のためだけに家から一番近い小さな会社に勤めます。

すると、給料がそのまま毎月のお小遣いになるのです。

だから、社長よりも100万円以上も高い車を買うことは日常茶飯事です。

よって、俺がクラウンなのに、なんでお前がレクサスなんだよ?

という図式となります。

前述の社長夫妻、後述のクラウン社長との共通点は、

相手を教育しているつもりが飼育しているに過ぎないということです。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

「社員の幸せを願う」という社長に限って、 その社員が自分よりもいい車を買うと確実に不機嫌になります。

もう笑っちゃうほどよくある事例です。

なんで俺より というのが顕著ですね。嫌ですねぇ。。。

でも、まぁ、よくよく考えれば、それは当たり前のことかも知れません。

「俺が俺が」の霊長類しか社長業なんてやりませんものね。 まともな人間は、社長業なんてバカげたことはやりません。

身近な場所に囲っておきたい、そばに居て欲しいというのは、 決して「愛」なんかではなく、飼育したいからに過ぎません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━