砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1814滴:もうポータル会社なんて要らない

ちょっと前にテレビで観て大いに感心したのですが、 大阪で紙芝居だけで食っている人がいます。

たしかに優雅とか派手な生活ではないものの、食うには困らない状態で、 しかも人生を楽しんでいるようにそこには映っていました。

驚愕ですよね。

そのとき思ったことは、法改正で消滅しない業種であれば、 どんな業種であろうと食っていけるということと、

1本の柱の方が強いんじゃないかということです。

法律で守られた業種は、法改正で壊滅する可能性は大です。

逆に、法律の範疇にない業種ならば、 自分がやめない限り延々と続きます。

紙芝居がそうじゃないですか。

レッドデータブック(絶滅危惧種リスト)に掲載されている業種以前に、 それを生業としている人は、佐渡のトキよりも少ないです。

そこらの偉そうなコンサルは、リスクヘッジ(危機回避)として、 1本でも多くの柱を作ろうとあおります。

例えば、3丁目の税理士事務所で言えば、記帳の指導から経営計画策定、 社会保険関係、キャッシュフォロー計画、新規事業相談、生損保代理店等々。

しかし、本来の業務であるところの申告業務がおろそかになりがちです。

これを歯医者、アパレル会社、旅行代理店、飲食店に置き換えて下さい。

なんでもかんでもできる会社など腐るほどあります。そして、 ほとんど腐っています。だから、みんな潰れるんでしょうね。

つまり、何屋さんか分からない。 お金を払うお客さんからすれば本業が見えない。

10本の柱を設けてみたところで、それが故に かえって本業が薄まってしまえば、元も子もありません。

柱を増やせば増やすほど、人件費も水道光熱費もかさみます。 それによって足(足元は×)をすくわれかねません。

たとえ1本の柱でもシロアリに食われないように細心の注意を払っておけば、 その方がきっと息が長いかも知れません。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

ラーメン屋に入る人は、ラーメンを食べたいから。 不動産屋に入る人は、部屋を探しているから。 歯医者に行く人は、奥の虫歯が痛いから。

そうですよね?1cmでも違ってますかい?

それなのに、それを否定する仕事をしちゃいませんか。

基本的に不況の今、多くの社長は焦っています。

すると、途端に本業以外の柱を設けようとバタバタと動きはじめますが、 景気がいいときにできなかったことが今になってできる訳がありません。

そんなもん、巣食うシロアリが増えるだけじゃ。

10本の柱があったとします。そのうちの1本をシロアリが食うと、 残りの9本もあっと言う間に食い尽くされます。

たった1本でも、食われないように、腐らないように 細心の注意を払っておけば、その方が遥かに堅実だと私は思う。

なんでもかんでもできる会社は、何もできない会社です。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━