砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1821滴:T君に足りない親指の圧力

ちょっと前に近所の三洋堂書店でT君(46歳)に偶然、会いました。

T君は、3年前に起業したものの事業が上手く軌道に乗らず、 半年間で廃業し、今では吹けば飛ぶような会社のサラリーマンです。

そのときT君は、アクアライフ(熱帯魚専門誌)を読んでいる私に 「俺って何をやってもダメなんだけど…」と寂しげに漏らしました。

「そうだよ。君は何をやってもダメ人間だよ」と言ってやりました。

私は、利害関係のない人間に対しては思いっ切り高飛車な態度を取ります。

T君は、日本福祉大学という微妙なレベルの大学を卒業しましたが、 1ヶ月に20冊以上の小説やビジネス書を読むほど博識な人間です。

頭も運も悪くなく、能力やセンスがないわけでもない。

でも、仕事に関してはまったく思うようにいかない。

では、どうしてこんなにダメ人間なのでしょうか。

答えは超簡単で、圧力がないからです。

1本のホースの中に水が流れているじゃないですか。

その水が、本から得た知識であり運であり能力やセンスです。 ところが、そのまんま流しているだけではそのまんまのただの水です。

みなさんは、庭木に水をやるときにどうしますか?

ホースの先をギュッと親指で潰すじゃないですか。

T君にはそれが絶対的に足りません。

大好物のアクアライフを立ち読み中で忙しかったので、 T君の話はそれくらいにして終わりました。

運も能力もセンスも多くの本から得た豊富な知識も、 そのまま流しているだけでは垂れ流しで終わりです。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

それと、言っても理解できないと思ったから言いませんでしたが、 「間」が悪い。

間が悪い奴は、何をやってもダメ。

だから「俺って何をやってもダメだな」と自らそう感じたときは、 頭や運が悪いというよりも間が悪いんじゃないかと疑ってみて下さい。

相手との間。これを言っていいかどうかという空気を読む間。

立ち位置も間の1つです。

そんなことも思いましたが、アクアライフを読むのに忙しかったので、 言いませんでした。T君は、お客さんでも何でもない人間Aだったし。

それでは、さっきから乾燥して喉の奥がイガイガしていますので、 期限切れのイソジンで胃液を吐くまで丁寧にうがいをしてきます。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━