砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1842滴:今さら社長のセンター試験

先日、センター試験がありましたね。私の時代では共通一次試験。 でも私は、私立一本だったのでまったく関係ありませんでしたが。

いかんせん物理の最高点が14点だったので。

そのセンター試験を受験した48歳の社長がいます。

社長自身、名古屋大学を出ているので勉強はできるでしょう。しかし、 仕事はまったくできないでしょうね。

そんなくだらないことをやっているくらいだから。

社長曰く「息子が受験するので、親としても一緒の苦労を分かち合いたい。 また、父親の一生懸命な姿を見せてあげたい」と。

美談にも三文小説にもなりません。

ちなみに、この社長は私のお客さんでも友だちでもないので、 面と向かって言いたいことを歯に衣着せず言ってやりました。

だから、思いっ切り嫌な顔をされました。

オヤジの一生懸命な姿を見せてあげたいならば、 1円でも多く会社の売上を伸ばせばいいじゃないですか。

どうせ十数年後には可愛い息子に継がせるんだから、 少しでもいい会社にしておくことが息子のためであり、

今さらマークシートを塗りつぶすことが息子のためではありません。

それに、息子には息子の苦労があり、親には親の苦労があるわけで、 わざわざ苦労を共有することなど愚行としか言いようがありません。

苦労のカテゴリ自体が異なります。

また、その可愛い息子からすれば、そのオヤジの姿は、 負担以外の何ものでもありません。

それが分からない段階で、確実に仕事はできない社長だと痛感しました。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

ちょっとシチュエーションを変えて例えてみますと、 最後の社員が帰るまでオフィスに残っている社長がいますね。

きっと社員思いの社長でありたいか、 そう見せたいポーズだけなのかは分かりませんが、

どっちにしてもNGです。

社員のことを思うならば、定時になったらサッサと帰るべきです。

残業する社員は、出前のカツ丼を自分の机でゆっくり食べたいんだから。 自宅に帰っても肩身が狭いので、会社の机が一番居心地がいいんだから。

それなのに目の前に社長が居る歯がゆさといったら筆舌に尽くし難いです。

何もすることがない社長は、日経をめくっているか、 メガネをずらし、鼻歌を口ずさみながら爪を切っています。

お~ッと、靴下を脱いでいます。どうやら足の爪まで切るようです。

そんな場面を目の当たりにしてカツ丼を食べることなどできません。

今、よかれと思ってやっているそのことが、 周囲の人間の負担になっていないかどうか。

一生懸命の方向が違うし、分かち合う苦労など存在しません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━