砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1899滴:倉庫番のススメ

ある社長から「学歴も性格も入社試験の成績も申し分ない男を採用した」と 喜びの電話をいただきました。もう半年前のことだけど。

その会社は製造メーカーで、7つもの事業部があります。

そこで「どの部署に入れるのですか?」と私。

社長曰く「当然、営業企画部です。半年間は7つの部署を回らせますが」と。

その会社の花形部署が営業企画部です。そこは営業をする部署ではなく、 戦略を練って自社製品を市場に売り込むカッコいい部署です。

まぁ、どうなんでしょうかね。

3年くらいは倉庫番をさせたほうがいいとは思うのですが。

そこで「チェッ」と腐るかどうかです。

腐った奴はそれまでの人間なので、そいつが花形部署へ入ったところで 腐ったリンゴになるのがオチです。菌が伝染する前に摘まなきゃいけません。

しかし、倉庫番で輝く奴もいます。そこで輝いた奴は、 間違いなく上の部署へ引っ張られるに決まっています。

そんなことも分からない成人なんて会社の便所の蓋にもなりません。

ましてや、倉庫番で輝いていたという勲章は、 その会社にいる限りはだれからも評価され続けます。

この先ずっと大切にしたい人間であればあるほど、 最初の3年くらいは倉庫番に籍を置かせたほうがいいと思いますけどね。

ヘドロの中をスイスイ泳ぐ奴は、清流なら猶(なお)のこと上手く泳ぎます。

しかし、その逆はない。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

三流の中ではちょっと頑張れば目立つことができるけど、 一流の中では思いっ切り努力してもなかなか難しいものです。

ならば、最初は三流部署でやったほうがいいと思うのは私だけでしょうか。

新荒田川の土手に咲くレンゲが美しく映るのはなぜなのでしょうか?

そんなものは、隣に赤いバラが咲いていないからに決まっています。

たった今、ふと気づいたのですが、 私は今までに3つの会社に籍を置きましたが、すべて支流の部署でした。

でも、多くの支流が流れ込んで本流を太くするものです。

では、また次回、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━