還暦間近のある社長から「息子がグレそうです」とメールがありました。
その会社は結構な老舗で、そのグレそうな息子は4代目になる予定です。
全国的に夏休みに入り、我が子が非行に走らないかと心配している 親御さんたちもきっと多いことでしょう。
私には「グレる」という行為がまったく理解できませんが。
「グレたら将来、絶対に損をする」と藍川中学校に通っている頃から 思っていました。
加納高校から神戸大学を出たM君は本屋で万引きをして捕まりました。
岐阜大学の医学部を卒業して内科医をやっているT君は、下校途中に S君を延々といじめていました。
その当時、勉強はできてもバカな奴だねぇ~とつくづく思ったものです。
こうして今でも恐喝できるくらい鮮明に覚えています。
そこで、なぜグレたり非行に走ったりするのでしょうか。 学校が嫌で、先生が嫌いだからグレるのではありません。
それだけなら私はだれにも負けません。大ッ嫌いでしたから。
圧力が掛かったときに逃げ道がないからです。
学校が嫌いな息子に「学校に行け!」と命令する。 先生が嫌いな息子に「先生に従え!」と説教する。
そのとき息子に逃げ道がなければ、グレたり非行に走るのは当たり前です。
私は学校や先生が大嫌いでしたが、ちゃんと学校へ行き、 先生の顔を眺めながら「所詮、公務員やろ」と腹の中で笑っていました。
そうやって自分自身の中で弘道は逃げ道を作っていたのです。
今に思えば、グレていたほうが健康的だったかも知れません。
その還暦間近の社長には「無意識のうちに追い詰めていませんか?」と、 メールを返しておきました。
例えば、4代目になるための心構えとか帝王学とかという無意味なことを。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
私もグレたことがありませんが、娘たちも以下同文です。
だって、父は娘に「勉強をしろ」と一度も言ったことがないどころか、 通信簿さえも見たことがありません。
地方公務員が他人の娘に点数をつけるんじゃねぇ!と思っているからです。 物を売ったことがない人間が「らしい」ことを言うのもおかしなもんだし。
まぁ、こーいう家庭環境がいいとも一概には言えませんが。
しかし一旦、社会に出れば圧力が掛けられて当たり前です。 ましてや、理不尽な圧力ばかりです。
そのときにどうやって逃げ道を作ることができるか、それが肝心です。
点数の取り方よりも、逃げ道の作り方を今から勉強させておきましょう。
では、また次回、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━