砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1916滴:圧力と逃げ道

還暦間近のある社長から「息子がグレそうです」とメールがありました。

その会社は結構な老舗で、そのグレそうな息子は4代目になる予定です。

全国的に夏休みに入り、我が子が非行に走らないかと心配している 親御さんたちもきっと多いことでしょう。

私には「グレる」という行為がまったく理解できませんが。

「グレたら将来、絶対に損をする」と藍川中学校に通っている頃から 思っていました。

加納高校から神戸大学を出たM君は本屋で万引きをして捕まりました。

岐阜大学の医学部を卒業して内科医をやっているT君は、下校途中に S君を延々といじめていました。

その当時、勉強はできてもバカな奴だねぇ~とつくづく思ったものです。

こうして今でも恐喝できるくらい鮮明に覚えています。

そこで、なぜグレたり非行に走ったりするのでしょうか。 学校が嫌で、先生が嫌いだからグレるのではありません。

それだけなら私はだれにも負けません。大ッ嫌いでしたから。

圧力が掛かったときに逃げ道がないからです。

学校が嫌いな息子に「学校に行け!」と命令する。 先生が嫌いな息子に「先生に従え!」と説教する。

そのとき息子に逃げ道がなければ、グレたり非行に走るのは当たり前です。

私は学校や先生が大嫌いでしたが、ちゃんと学校へ行き、 先生の顔を眺めながら「所詮、公務員やろ」と腹の中で笑っていました。

そうやって自分自身の中で弘道は逃げ道を作っていたのです。

今に思えば、グレていたほうが健康的だったかも知れません。

その還暦間近の社長には「無意識のうちに追い詰めていませんか?」と、 メールを返しておきました。

例えば、4代目になるための心構えとか帝王学とかという無意味なことを。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

私もグレたことがありませんが、娘たちも以下同文です。

だって、父は娘に「勉強をしろ」と一度も言ったことがないどころか、 通信簿さえも見たことがありません。

地方公務員が他人の娘に点数をつけるんじゃねぇ!と思っているからです。 物を売ったことがない人間が「らしい」ことを言うのもおかしなもんだし。

まぁ、こーいう家庭環境がいいとも一概には言えませんが。

しかし一旦、社会に出れば圧力が掛けられて当たり前です。 ましてや、理不尽な圧力ばかりです。

そのときにどうやって逃げ道を作ることができるか、それが肝心です。

点数の取り方よりも、逃げ道の作り方を今から勉強させておきましょう。

では、また次回、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━