1回の城郭巡りで軽く2キロは体重が減る。下手なダイエットよりは効果的だ。岐阜→名古屋→伊勢中川→伊賀神戸と乗り継いだ。初めて乗った伊賀鉄道にご満悦。
伊賀上野城は上野公園内にある。せっかくなので隣の忍者博物館に寄った。
他に客人はいなかったのでマンツーマンで様々なからくりを伝授してもらった。
伊賀生まれの松尾芭蕉。旅姿の芭蕉を建築で表現した俳聖殿は傑作だった。
目がくらむほど快晴だったので必要以上に汗を掻こうと爪先で歩いたりもした。
いい。城づくりの名手である藤堂高虎により築城された白亜三層が耽美な伊賀上野城。実にいい。
その当時の内堀と石垣が残存しており、昭和10年には天守閣も復興された。
表面に出る石の角や面を叩いて平らになっている打込み接ぎの石垣があまりに圧巻すぎる。よじ登って頬ずりしたくなるような石垣だ。
城内を一気呵成に巡った。横山大観、河合玉堂など46点の色紙が天井にあった。
横山大観の『満月』。システィーナ礼拝堂の『最後の審判』には劣るがそれなりに風情があっていい。
天井に神経を集中し過ぎたため、首と目が疲れたので天守から遠くを眺めた。
ピンクの花びらが散って葉桜になった侘寂(わびさび)がなんとも言えず風情。
日本有数の高さを誇る高石垣。黒澤明監督の『影武者』のロケにも使われた。
上野天神祭の巨大な「だんじり」が飾られていた。赤と黒の忍者姿は観光客。
1821年に建てられた藩校で全国的にも稀少な国の史跡でもある旧崇廣堂。
下から高石垣の美しいラインを眺めたが、樹が邪魔して上手く撮れなかった。
松尾芭蕉が29歳まで過ごした生家。有料だったので屋内には入らなかった。
生家から20分ほど歩くと芭蕉の草庵の中で唯一現存する蓑虫庵が現れた。
さすが忍者の町だけあり、至る所にこのような不気味な人形が飾られていた。
通りから一本、中に入るとこのような静かな佇まいが。これも一般宅のようだ。
午後2時半を過ぎたが、まだ何も食べていなかったので近くのカフェに寄った。
俳優の椎名桔平がプロデュースしたカフェのようで、彼の両親が営んでいた。カフェなのに伊賀牛を煮込んだカレーがあったので、飲むように食べ尽くした。
「日本100名城」の中の47番。とても満足したが、もう3年は訪れないだろう。