砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

郡上八幡の村上春樹と城達也

そのとき僕は48歳で生まれてからずっとB型だった。朝日も当たらないテラスで日経新聞の片隅に小さく載っている田中貴金属の金のグラム単価を指でなぞって時間を潰した。僕は焼きたてのパンをかじりながらシャワーを浴びた。するとパンがずぶ濡れてぐしゃぐしゃになった。「やれやれ」僕はつぶやいた。熱い湯で丁寧にヒゲを剃ると「コリッ」と音がした。どうやら肌に傷をつけたようだ。洗面器の中にB型がしたたり落ちた。この痛みをチェルシーのようにあなたにもたくさんあげたい。おはようございます。カマキリに寄生するハリガネムシのようにあなたの安い心を食い散らかしたい杉山です。初期の村上春樹風に攻めてみました。ほぼ16年前に十六銀行の120周年記念品としてもらったジバンシーのマグカップでムダに熱い珈琲を飲むのが日課だ。チェイサー代わりに養命酒で口を注ぐ。夕日が長良川の岸辺を真っ赤に染める頃、度胸試しで吉田川に飛び込まなければならない郡上八幡に生まれなくてよかったと胸を撫で下ろした。「ミスター・ロンリー」が八幡信用金庫から流れてきた。ジェットストリーム。最後は城達也風に真綿で首を絞めてみました。おやすみなさい。