砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

僕とキャサリンの浅い夢 in 神戸

それは以前、どこかで耳にした懐かしい曲だった。にぎやかなフラワーロードを歩いていた僕が、左手の神戸市役所を通り過ぎたあたりで偶然再会した曲だ。それは元町へ向かう僕の足の歩幅を確実に小さくさせた。良くも悪くも思い出は、いつも全力で甘く切ないものなのだろう。ホテルの1313号室に戻った僕は、熱い珈琲を飲むために8分目まで水が入った銀色のポットのスイッチを右手の人差し指で丁寧に押した。「あの曲ってこの中にあったかな」。僕はパンをかじりながらiPodのイヤホンを左耳から入れた。すると隣で目覚めたばかりのキャサリンが、そうはさせまいと「おはよ」と微笑んで右耳の占拠を寸前に阻止した。だから、そんな浅い夢を見た。東海三県のみなさん、おっはよ~! それ以外の地域のみなさん、そこそこ元気にやってください。今日はこれから質素なブレックファーストを楽しんだ後に自分たちが地球の中心にいると勘違いしている蒸し暑いだけの京都へ向かう予定は確定。