砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

歳月がトッピングされた言葉は結構、重い

ナニワで僕がちぢんでいたなら、かばって下さい♪(原曲:『わかって下さい』by因幡晃)。大学生の頃に大阪・千日前のお好み焼き店で「研修生」の名札を付けてアルバイトに励んでいた弘道は、若い頃の藤圭子のような超美女のブタ玉を丁寧に返したらべチャッと失敗してしまった。そのとき彼女は「おにいちゃん、研修生やろ。気にせんでええで」と笑った。僕は「大阪ってフツーに怖い」とビビった。3LDKのマンションの家賃が2万円でも大阪にだけは住みたくねぇ。その頃の僕と今の僕とを比較して思うのは「年を取るほど人に与える影響が自然と大きくなっている」ということ。同じことを言っているのに20歳の青年と50歳の中年の言葉の重厚感が圧倒的に違う。それはね、「頭の中だけで想像して言っている若者」と「過去の実体験に基づいて語っている中年」の違いさ。若い小説家が芥川賞を取っても直木賞を取れない理由は、芥川賞は空想だけで書ける純文学だが直木賞は物語性を重んじる大衆文学だからじゃん。