砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

真夜中のJR貨物は生活のリズム

一昨日の僕は小倉城の敷地内にある松本清張記念館を訪れた。『点と線』や『砂の器』など数々の名作小説を世に送り出した松本清張は、この僕がこよなく敬愛する人物の一人だ。清張の書斎は東京都杉並区高井戸の閑静な住宅街にあった。その自宅のすぐ横を渋谷駅と吉祥寺駅を結ぶ京王電鉄の井の頭線が走る。ま、君たちのような凡人なら「朝から晩までじゃかましいんじゃ!」と大声で叫ぶだろうが、清張と弘道は違った。始発から最終まで走る電車の音と振動が365日24時間、一定のリズムを与えてくれた。「あぁ、こんな時間にでも働いている人がいるんだなぁ」と勇気すら覚えた。ってことで、我が家のすぐ横をJR東海道本線が走る。京王電鉄とは違ってこっちは旧国鉄だぜ。ハハハ、清張君に軽い優越感。0時を回ると乗客を乗せた電車は走らないがJR貨物が一晩中走る。これが騒音と感じるどころか僕の生活のリズムとなっている。又吉君も芥川賞を取ったことだし僕も「もう機は熟した」と約15年前から思っている。