砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

本当に怖い奴 ~読める悪人よりも読めない善人のほうが怖い

午後4時の曇り空は僕をいつもの僕より奥行きのある詩人に変えた。ターンテーブルからしずくとなってこぼれ落ちるバーシアの『Until you come back to me』を両手で丁寧にすくった僕は明日の午後には西日が差し込むだろう曇りガラスに小さなハートを描いた。「この曲ってアレサ・フランクリンのほうがいいよね」僕はそっとつぶやいた。そして、そのハートの真ん中に右手の人差し指で「好き」と刻んだ僕は寂しがり屋のジョージさ。今日もいい感じでノイローゼ気味だぜ。ところで「勝因が分からない勝ちより敗因が分かっている負けのほうが1万倍もマシ」と何十回も言ってるアンニュイな僕が、君たちに「本当に怖い奴」についてお話しよう。コントロールのいいピッチャーよりも、そうでないピッチャーのほうがバッターは怖い。コントロールのいいピッチャーならバッターはその配球を読んで挑むことができるが、自分でもどこへボールが行くのか分からないような荒れ球を投げる天然素材は無敵で最強だね。