そのとき僕は、クリぼっちの次女が手作りした肝臓が悪そうな顔色のメロンパンナちゃんクッキーをかじっていた。実際にこんなシーンがあったかどうかはまったく記憶にございませんが「こっちにはこっちのやり方があるでよ。そんなもんめんどくそーてやっとれせんだわ。あっち行ってちょ、ドボチョ~ン!」といった感じのなぜか名古屋弁をしゃべるドラキュラが印象的なアニメ『幽霊城のドボチョン一家』が大昔に存在していた。大昔と言ってもジュラ紀や室町時代ではないことについては自信がある。昨日、ホテルパークからの帰りにあるFCチェーンの洋菓子店に入った杉山一族だった。正直、商品自体にはそれほど期待はしていなかったものの、それ以上に驚いたのがスタッフの見てくれ、つまりは見た目だった。「これって東山動物園にもいないだろ」ってレベルだった。それだけでショーケースに並んだケーキが不味く思えた。まるでその店にはドボチョン一家に登場する不気味なキャラたちがうごめいているかのように感じてしまった僕だった。誤解しないでほしい。当然、この僕は生まれつきの部位や造作のことを言っているわけではない。また、それらが整っているいないの問題でもない。人として、怠惰の延長線上に発生したものとしか考えられない問題について憤っているだけなんだ。客商売うんぬんではなく、一個の人間として最低限の努力はせんとあかんだろ。人として、努力すれば変えられる部分はなんとかせなあかんだろ。哺乳類として、最低限の見た目だけは整えなあかんだろ。また、そんな人間を雇う店のレベルも知れているっちゅう話やがな。