砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

「死ぬまで現役」の守備範囲

松坂大輔が「いつまで経っても中日ドベゴンズ」に入団することが決まってキャッキャと喜んでいるいい年こいたおっさんが岐阜市茜部近辺にいるだろう。いいなぁ、赤の他人の身の振り方で一喜一憂できるお値打ちな人生観で。で、どうやら年俸は1500万円らしい。これはピーク時の約6日分の金額となり、その約6日分で1年間プレーすることになる。今、野球を辞めて解説者などになってもそれ以上の金額は余裕で稼げると思うが、あくまでも現役にこだわった結果だ。そのとき、ふと辰吉丈一郎と薬師寺保栄が死闘を繰り広げた1994年の世界バンタム級王座統一戦を思い出した僕がいる。結果は薬師寺が勝利したのだが、意外なことにこの僕の周りには圧倒的な人気を誇る辰吉よりも薬師寺を応援するサラリーマンが多かった。その理由は「(人気があるから)負けたとしても辰吉は何をやっても食っていけるから」というものだった。だが、サッサと辞めた薬師寺は今では名古屋市内でボクシングジムを経営し、いまだに現役にこだわり続ける辰吉が今、辞めてもそれに値する食いぶちはあるのだろうか。では、録画したドラマを観たいので、そろそろ今日の〆に入ろう。大輔君、決して選手だけが現役じゃないんだよ。野球解説者でもタレントでもキャスターでも年金受給者でも死ぬまでは人間の現役なんだよ。

辰吉丈一郎と薬師寺保栄