砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

実録:家に帰れないお父さんの岐阜駅から柳ヶ瀬方面での時間の潰し方

青春18きっぷで法隆寺に向かうはずだった僕がいた。芥見東小学校の修学旅行以来となる法隆寺、41年ぶりの再訪となるはずだった。だが、朝っぱらから胃腸の調子が今ひとつだったので身内から「そんな無理せんとやめときゃーて」と言われた。しかし、正面を切って「お前らに旅人の気持ちが分かるはずもない」と吐き捨て家を出た。すると、あろうことか岐阜駅に着くや否や「痛ぇ・・・」となった。改札口で熟慮の末に法隆寺行きは断腸の思いで延期することにした。そこでひとつ大きな問題がある。どの面下げて帰ればいいのだろうか。正直、僕、かなり困ったちゃん。そんなこんなで岐阜駅の隣にある「やすらぎの里」という公園のような広場のベンチに腰を下ろすと七分咲きの桜をボーっと口を開けて眺めていた。3日前にリストラされた事実を家族に言えず、スーツを着て弁当を持って会社と自宅の中間にある公園で時間を潰す中高年サラリーマンの気持ちが痛いほど分かった。

やすらぎの里

そこから徒歩2分の場所にあるゴールデン織田信長公の下へ近寄った。岐阜市民ならきっと分かってくれるだろう。この場所で30分近くも時間を潰すその苦しさを。愛媛県や鹿児島県からやって来た観光客でも3分もいない場所だがね。でもね、岩手県からの観光客ならそこそこ粘るかも知れない。

織田信長公

ここにいても胃腸の痛み以上にツライだけなので岐阜タカシマヤ方面へ五臓六腑に振動を与えないようにゆっくりと右足から伸ばすことにした。何も欲しいものも用事もないのに『ドン・キホーテ 柳ヶ瀬店』に入った。その後、岐阜タカシマヤ内にある自由書房で大掛かりな立ち読みで大胆に時間を潰した。そのとき「僕、ここまで歩けりゃ何気に元気じゃん」という衝撃の事実に気付いたが、時すでにお寿司いや、遅し。

ドン・キホーテ 柳ヶ瀬店

最後はインド人の叡智の結集で胃腸を洗浄してもらうべく『マサラマスター 岐阜駅前店』で「チキンキーマ&エッグカレー」を2杯の生ビールで一気に押し流した。では、そろそろ今日の〆に入ろう。人生、計画通りにいかないこともある。しかし、脇道に逸れたからこそ出会える美しい風景もある。とブログには書いておこう。これといって大したことはなかったが、大したことがあったら大変だ。今日は無理をすれば行けたっぽいが、無理をしてまで行く気はない。これはこれでいい一日だった。

チキンキーマ&エッグカレー

マサラマスター 岐阜駅前店(閉店)の僕のレビューとマップ(詳細)はこちら goo.gl