砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

ケッタマシンにおねがい

午後3時26分のこの僕のご機嫌は偏差値76レベル。だからと言って気安く話し掛けたりしちゃあデンジャラスだぜ。さっそくだが、このご機嫌の理由を説明しよう。信じ難いことかもしれないが、この僕でも自転車に乗るだよ。えぇ?ほんとー?ハハハ、実に見事なリアクションだな。褒めてやる撫でてやる舐めてやる。世間では自転車のことをチャリと言っているが、その安い語感が苦手なため僕はケッタと呼んでいる。これは鉄板スパにおけるところのナポリタンに対するイタリアンのような少数民族派とでも言うべきところか。だから、そんなことはどーでもいいんです。この僕のケッタがパンクしちまっただよ。もうタイヤの側面がひび割れてボロボロっぽかったので新車を買う気満々でホームセンターバローの自転車コーナーを訪れた。「タイヤ交換で5000円以上かかるなら新車を買います」と僕が言うと自転車担当のスタッフが丁寧に見てくれた。そして「いえ、パンクの修理で大丈夫ですよ」と言うとハンドルの動作やチェーン回りなどをすべて入念にチェックし「まだ十分に乗れますよ」と続けた。ほう・・・、おそらく君たちでも「こいつは新車を買うな」とか「こいつは新車が買いたいんだな」と分かるくらい僕は新車を買う気満々だった。それなのに、そんな前向きな気持ちをいい意味で木っ端微塵に砕くくらいの丁寧な対応っぷりだった。ま、それが商道徳に則った当たり前の行為と言えばそれまでだが、1クリックでガンガン稼げるとかマルチまがいのてめぇさえ儲かりゃええみたいな中身のない商売がはびこる昨今、一筋の光明が差し込んだかのように思えた。結局、1000円でお釣りが来た。帰宅した僕は「お客様相談室」まで感謝のメールを送ったった。ちなみに、今回のタイトルはこの1曲しか知らないけど敬愛してやまないサディスティック・ミカ・バンドの『タイムマシンにおねがい』をこの僕なりの商道徳に則って丁重にパクらせていただいた。

ホームセンターバロー