砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

谷汲山華厳寺と両界山横蔵寺と喜更のえび天ざるそば@岐阜県揖斐郡

車でちょこ1時間くらいの遠くもなく近くもない距離にある名所旧跡が何気に惑わしいスポットだと思わないかい。遠いなら遠い、近いなら近いほうが確実に訪れやすい。ってことで、以前から一度、訪れてみたかった谷汲山華厳寺へと新品のタイヤに交換したばっかのドリーム号で静かに向かった。

華厳寺もそうだが、そこに至る参道ショッピングも楽しみのひとつなのに思いのほかしょぼかった。そのためにわざわざ平日ではなく土曜日に訪れたったのに。ま、10時前だから早すぎたのかしら。

それはともかく本堂の中で線香を販売している1人の雲水が、坊主頭をかきむしり間抜け面で大きなあくびをしていた。その姿を垣間見た僕は「ここって大丈夫かよ?」と心配するとともに辟易した。

華厳寺を後にした僕は、そこから車で約10分の両界山横蔵寺を訪れた。うん、ここは静寂でいい。

観光客や参拝客もまばらなせいか、鼓膜を突き破り三半規管を刺激するかの如く清流の音がこの僕を新種のポエマーに変身させかけた。山門や三重塔などの建造物も荘厳だが、その空間が実に美しい。

横蔵寺の瑠璃殿に収められた重要文化財、舎利堂の妙心上人様の即身仏(ミイラ)は再訪に値する。

その妙心上人様は即身仏になるために20年間、一日一回きりお湯に溶かした蕎麦粉のみを飲むだけだったとか。きょうびの欲にまみれるそこらの安い坊主たちとはえらい違いだ。そこでだ、この僕も『喜更』でそばをいただくことにした。ただ、五平餅と海老とビールをトッピングしちゃったけど。