砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

母川(ぼせん)

「セクシャルバイオレットNo.1」と「咳したら奥歯が折れた困ったワン」はヘッドスパで爆睡した状態で耳打ちされたら似ているかもしれない。トシコちゃんの美容室で寝落ちた僕だった。その際に田舎暮らしの話をした。誤解しないでほしい、田舎といってもそこらの小汚い田舎のことではない。生まれ育った故郷のことだよ。早歩きして5分以内にコンビニがない田舎になど住みたくもなければ通り過ぎるのもご遠慮したいこの僕でもご生誕した美濃町だけはすっげぇ落ち着くんだよね。さぁ、この現象を得意の強引な理詰めで解き明かしてみよう!その当時から顕著に変わった必需品と言えば電話だろう。黒電話からプッシュホンに文明開化した際には随分と便利になったものだと感心した。回したダイヤルが戻って来るまでの空虚な時間によるストレスがプッシュホンの登場で解消された。特に「0」がムダに多い電話番号には困ったものだった。それがコードレスホンになるとガラケーが登場してスマホとなった。お次は以心伝心ホンか?人間、いい年こいて来たら時代の流れに乗るより逆流したくなる。便利もここまで来ると不便に感じる。限られた時間を何もない状態から始めたいと郷愁に駆られるものなのだろう。生まれた川に遡上する鮭の如く。さすがに産卵はちと無理だけど。

KOTEE