砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

尊敬の条件:誰かを尊敬するということ

杉山弘道、53歳と11か月。好きな言葉は「根絶やし」だがね。尾畠春夫、78歳。好きな言葉は「朝は必ず来る」だとか。尾畠師匠は確実に素晴らしい男だ。連日のようにテレビで放送されるので赤いはちまきがブームにならんかしゃん。決して見返りを求めないという本来のボランティア精神を頑なまでに貫く姿には本当に頭が下がる。ただ、尊敬はしない。正確に言えば、できない。たしかにモーレツに立派だとは誰しも思うだろうが、この僕の尊敬する条件には値しない。では、尊敬という言葉を辞書で調べてみよう。「人格・識見・学問・経験などの優れた人を尊び敬うこと」。だから、「尊び敬う」の意味を聞いてんじゃんかよ。ったく、使えない辞書だぜ。この僕の条件はね、実際に会った人物しか尊敬の対象にはならない。いくら福澤諭吉先生やルイ13世が立派な人間でも実際に会っていないから尊敬はしないし、できない。ちょっとスゴイことをした人を見掛けては「もう~、あたし尊敬しちゃいますぅ」と安い言葉を平気で漏らす奴がそこら中にいるが、むしろそれは相手を冒涜する行為としか思えない僕がいる。でなければ、真っ昼間から汗をかきながら高枝切りバサミで作業をしているこの僕のことも尊敬しやがれ、この野郎。さすがに赤いはちまきはしていないけど。この僕は人生で父親しか尊敬したことがない。勘当されちゃったけどね、そんなことは関係ないの。

高枝切りバサミで作業中