「全然ない」という否定形ではなく「全然ある」という肯定形も夏目漱石や芥川龍之介が小説の中で使っていたくらいだから大昔は正しかったのだろう。とは言え、否定も肯定もしない「全然眠い」や「全然儲かる」などの「すっげぇ」という意味合いで用いるのは大間違いだ。あ、ふと思ったのだが「二度とある」はどうなのだろうか。だから、そんなことはどーでもいいんです。世界のアツローのお使いで岐阜駅まで歩いた僕がいた。この僕を便利屋のように使うとは大垣原人のくせに生意気だ。すると、カネ井青果の店先には焼き上がったばかりの熱々の焼き芋が並んでいた。おぉ!焼き上がり時間に通りかかることも稀だし通りかかったとしてもすぐに売り切れてしまう茨城県産の紅はるか。こういった場合には「この寒い中、僕にお使いを言い付けてくれた世界のアツローのおかげだね」と感謝することは全然なくて「やはり僕は持っている男なのだろう」と優越感に浸ることは全然ある。