異常な湿気を打ちのめすためには異常な量の汗をかいちまえばいい。このイグ・ノーベル賞級の理論生物学の方程式に基づいてJR岐阜駅まで歩いたら湿気と汗と疲労で発狂する寸前だった。ったく、文系って使い物にならない社会のお荷物よね。許せ。病的な量の汗を入念に拭いながら駅構内を歩いていたら久しぶりに花子と会った。そう、あの『考える人』の作者であり世界的な彫刻家でもあるロダンのモデルになった花子だ。彼女が眠る墓は岐阜市内の浄土寺にあるんだ。これは【大門町】の回に偉そうに教えてあげたったよね。僕が小学6年生の図工の時間に木版を浮き彫りする授業があった。その際にシーラカンスを彫ったらあーた、12歳の少年の作品とは思えない見事な傑作だった。才能って隠せないものなのね。そのまま東京芸大を首席で卒業して彫刻家になる手もあったが、先端恐怖症ゆえに彫刻刀など尖った物に接し続けると頭の中の線が切れて誰かを刺しちまうかも知れないので才能を封印してやめたった。とりあえず何をやっても成功してしまう僕ゆえに彫刻家となっていれば夏子か綾子か桃子か純子と出会っていただろう。とにかく名前の最後に「子」は付いていたと思う。キラキラネームなど言語道断&愚の骨頂だ。