桑名市の安永餅、四日市市のなが餅、鈴鹿市の立石餅のビッグ3を「北勢三大名物餅」と言う。諸説あります。前者の2つは完膚無きまでにクリアしている全国甘党党首の僕は、最後に残った「立石餅」を購入すべくJRの快速みえに乗って一昨日の午前中に【鈴鹿】を訪れた。そして、それを製造販売している唯一無二の和菓子屋である『もち久』の手動ドアを左から右へ開けた。
店内に一歩足を踏み入れるとショーケースはあるものの肝心の「立石餅」は見当たらなかった。どうやら併設する作業場で作っている真っ最中のようだった。「あ、予約しておいた杉山ですが」「はい、10本ですね」「もっと買えますか?」「今だと24本ならあります」「せっかくなので20本ください」「岐阜からなんですか?」「はい。鈴鹿に来ないと買えないのでこのためだけにやってきました」。2人の女性店員が対応してくれたが、とても丁寧かつ親切な接客でご満悦♪
そもそも「立石餅」は1689年に創業した『あま新』の商品だった。が、惜しまれつつ廃業。その際に昭和初期に創業した『もち久』が、その製法や道具を引き継いだとのこと。その証拠に赤いのぼりには「あま新直伝」と描かれている。ちなみに、当時の『あま新』の前に石の道標が存在したそうな。その道標が「立石」と呼ばれていたことが「立石餅」の名前の由来だそうな。
「お気をつけて」「はい、ありがとうございます」僕は頭を下げて微笑んだ。念願のなが餅だし熱々の焼き立てだしこのまま自宅まで冷静に持って帰る自信はないし。ってことで、冷める前に味わうべくすぐ近くの『神戸城』へ向かった。思いのほか立派な石垣じゃないか。さっそく僕は『神戸城』の天守台のベンチに腰を下ろすと焦げ目が付いた「立石餅」を頬張った。香ばしくて粒あんも生地も僕好みでいい。ただ、軽い味見のつもりが何気に食い終わっちまって僕の歯型の付いた断面をお見せすることができなくなっちまった今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
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